『カシオ、コンパクトデジカメの低価格帯開発から撤退』という記事が日刊工業新聞(2014年1月27日 )に出ていました。
デジタルカメラのコンパクトタイプがスマホに押され、販売が激減しているのは、もう聞きあきた話ですが、実はそのなかでカシオだけは頑張ってきた(!)というのは、知る人ぞ知る事実。
『カシオが「高級コンデジ」を作らないワケ』(東洋経済ONLINE 2013.11.16)は、その路線が一応健在だったころの事情を紹介していました。一部を引用させてもらうと…
『オリンパスやパナソニックなど、コンデジ中心に製品を展開してきたカメラメーカーの業績は急激に悪化しており、各社とも低価格帯コンデジから撤退し、比較的収益性の高いミラーレスと高級コンパクトを中心とした販売戦略への構造転換に取り組んでいる。そんな競合を横目に、1995年3月に世界初の民生用デジカメ「QV-10」を世に送り出したカシオ計算機は、デジタル技術を活用したコンデジに特化するという独自路線をとり、数年前の赤字体質から脱却し収支均衡を維持している。』
これを読んだときは、「大したものだ。カシオがどうやってコンデジでうまくやっているんだろうか」と、健闘ぶりに感心したものです。
それが、やはり流れが良くなくなってきたようです。
1月27日の日刊工業新聞によると、
『カシオ計算機は2014年度から、低価格帯コンパクトデジタルカメラの新機種投入を打ち切る。 (中略) 最低6000円前後から売られている低価格の数機種。同社のデジカメ販売台数のうち2―3割程度を占める。店頭での品ぞろえ維持のため販売は継続するが、モデル刷新は既存機種の色変更など小幅に留める。』
とのこと。
カシオといえば、最近「EX10」が発売されました。しかし、これは低価格帯の製品ではなく、最初の記事でいえば" 作らない"はずの高級コンデジ。おいおい、やっぱり高級コンデジ作ったじゃないですか…
結局、カシオもデジタルカメラ各社と同じく低価格帯のコンパクトカメラに見切りをつけ、高級コンパクトカメラに舵を切らざるを得なかったようです。
で、力を入れている高級コンパクト機の「EX10」は…
実はこの間、大阪・ミナミの量販店で触ってきました。
カシオEX10。
1/1.7型CMOS(裏面照射型) 1210万画素 。レンズは35mm判換算約28~112mm
。一度シャッターを切るだけでフォーカスと絞り、ホワイトバランスと明るさなどを変化させた計9枚の画像を連写する「プレミアムブラケティング」が特長。
裏面液晶が180°回転、自分撮りもできます。
触ってみて感じたのは、意外にゴツい手触り。レンズ根元のファンクションリングもソニーRX100のように上品でなくてギザギザ。液晶もとにかくデカい。
ウ~ン、何となく日本人好みじゃないな~ と思いながら、液晶画面の設定を見ると…
何と中国語。
各国語が飛び交う店内ではありましたが… 上海にでもいるような気持ち。
中国向けモデルだったのでしょう。一瞬、びっくりしました。
で、どうなんでしょうね売れ行きは。各社とも高級コンデジに力を入れると、今度はこの分野で販売競争がし烈を極めそうですが。