ソニーのフルサイズ・ミラーレス機「α7」「α7R」用に発売されたツァイスブランドの標準ズームレンズ「Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS 」(写真、フリー画像)。
このF4通しの、高級ズームレンズの評価がさまざま。
『造りは素晴らしいが光学性能はあまり感心しない』と。
おやおや、高性能を誇るツァイスブランドのレンズなのに… と意外な感じでした。
歪曲収差がかなり大きい、中心部の解像力はいいが周辺ではそれほどでもない、隅では倍率色収差が目立つ、ボケ味は汚い----と、厳しい評価です。
そもそも、昨年11月にα7シリーズが出た時、フルサイズ・ミラーレス機に対応する「FEレンズ」が少なかったですね。標準ズームがほしい場合、キットレンズのFE 28-70mm F3.5-5.6 OSSで辛抱するか、ツァイスレンズの発売を待つかという選択を迫られたはず。
キットレンズも悪くないという評判でしたが、待ちに待ったツァイスのズーム「Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS 」が今年1月に発売。
さっそく購入した人も多かったのでは。
が、上記海外サイトでは低い評価。本当にそんな画質なのか、photozone のテスト画像を見て見ました(画質RAW、自動補正OFF)。
とくに広角端が良くないですね。100%に拡大すると周辺部ですごく色収差が目立ちます。周辺の解像感も良くなく、まるで安物のレンズみたいです。
ただ、中央部の解像感は素晴らしい。
カメラ側の自動補正をONにすると歪曲収差、色収差とも問題ないレベルになるそうです。なので、自動補正をONに設定しておき、JPEG “ 撮って出し”している限りは良好な画質が得られそう。
しかし、RAWだと収差がそのまま出てしまうようで、それが現像ソフトでちゃんと補正できるものかどうか…
はっきり確かめていないので何とも言えません。だいたい、そういうソフト的な機能に頼らなければならないというのは好きじゃないですね。少なくともツァイスの名を冠するからには、レンズ単独で高い性能を持っているべきだと思います。
こうした厳しい評価とは別のレビューもあります。
『交換レンズ百景:α7ユーザーは“マストバイ”な標準ズーム――ソニー「Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS」』(ITmedia デジカメプラス)
風景、建築、ポートレートなどの実写例が載っていて『コンパクトなオールマイティーレンズ』との評価です。
しかし、『玉砂利の海岸をワイド端でスナップ。カメラ側のレンズ補正をオフにして撮影した』という実写画像を拡大してみると、周辺部では色収差がはっきり。かなり気になります。
林の中のポートレート(拡大)では、点光源状になった周辺部の葉のテカリに、色収差+コマ収差が出ているようです。(記事には書かれていません。自分が感じただけ。)
一方、このレンズを買った普通の人のブログもいろいろ見て見ました。
JPEG撮って出しの画像はきれいなものが多いです。ただし「ボケ味はお世辞にも良いとはいえません」と。
高性能だが、価格(10万円前後)に見合う性能かといわれると、疑問符がつくという声もありました。
こうしてみると、ツァイスといえば「絶対良いレンズ」と鵜呑みにしてきた自分自身の考えを改めなければならない気がしてきました。
ツァイスも色々、なのかナ…