経営建て直しに必死のパナソニック。コストカットを次々進めているようです。
◇デジタルカメラ事業
『パナソニック、三洋のデジカメ事業をアドバンテッジに売却で調整』(12日、ロイター)と。
『パナソニックが子会社三洋電機のデジタルカメラ事業を年度内にもアドバンテッジパートナーズに売却する方向で調整に入ったことがわかった。複数の関係筋によると、三洋のデジカメ子会社の三洋DIソリューションズ(大阪府大東市)とインドネシア工場を数億円で売却する方向。
直近の三洋のデジカメ事業は、自社ブランドを持たずにオリンパスなど複数メーカーにOEMで供給(相手先ブランドによる生産)している。パナソニックが展開するデジカメ「ルミックス」とは統合せず、売却先を探していた』とのこと。
他のメディアでも報道されています。
一方、パナソニックは今のところ次のような対応。
『パナソニックは12日、一部報道機関が「パナソニックは子会社である三洋電機のデジタルカメラ事業を年度内にもアドバンテッジパートナーズに売却する方向で調整に入った」と報じたことに対し、「当社から公表したものではありません」とのコメントを発表した。』(12日、さくらフィナンシャルニュース=東京)
公表はしていないと言うだけで否定はしていないので、その方向でいくのでしょう。
やはり、スマートフォンの普及でデジタルカメラ市場が縮小しているのが背景にあるようです。
しかし、三洋のデジカメ事業がこんな風に売られてしまうのは残念です。
そもそも「デジカメ」という言葉自体、三洋電機が持つ登録商標ですから。
三洋電機は1995年にデジカメ事業に参入、1999年には世界市場の3割を三洋電機のデジカメが占めたといわれます。
今昔の感… ですね。
ところでパナソニックは「ルミックス」については自社で続けるようです。
が、パナソニックのホームページを見ると、こんなお知らせが。
『デジタル一眼カメラ「DMC-GH3(ボディ)」 発売延期のお知らせ』(パナソニックのページ)
え! 経営再建のあおりで悪い話か、と思ったら、
『発表後に想定以上の予約注文をいただき、お届け日程に影響が生じたため、1機種の発売を延期させていただきます。』
だそうで、やれやれ。
当初の12月13日発売を、12月29日に変更するそうです(ボディのみ。レンズキットは予定通り)。(写真はフリー画像)
そんなにGH3って人気があるのでしょうか? パナソニックのデジタルカメラ、好調なのか不調なのかさっぱりわかりません。
◇「スポーツ」も切る
カメラと関係はないのですが、5年間続いたゴルフの石川遼選手との契約も今シーズンで打ち切り。
パナソニックのニュースリリースによると、
『今や石川選手は日本のトッププレーヤーとして揺るぎない地位を築いており、既に当社の所期の目的は充分に果たしたと考えています。』
だそうです…
まあ遼クンも一時ほど活躍していないしね。しょうがないでしょう。
さらに、男子プロゴルフ「パナソニックオープン」を2013年大会で終了(ニュースリリース)。
女子バドミントン部と男子バスケットボール部の休部も決めています。
来年3月期決算が7000億円以上の赤字になりそうな同社としては、焼け石に水のようなものでしょうが、これからどんなドラスティックなリストラを打ち出すのか…
日本を代表する企業だけに、気がかりなことではあります。