発売されたばかりのニコンDXフォーマット(APS-C)一眼レフ「D7100」を、3月15日に試し撮りしてきました。
いつものように大阪・梅田のニコンプラザ大阪へ。自分のカードを差してデータ持ち帰りができました。
D7100。
レンズは標準ズームのAF-S DX NIKKOR 16-85mm f/3.5-5.6G ED VRがついていました。ボディーにマッチして、ホールディングがしやすい感じです。
◇実写例
試し撮りは、一応RAW(14ビット)+JPEGで。RAW現像は、3/14にD7100をサポートした、SILKYPIX Developer Studio 4.0 Windows版 で行いました(一部のコマが乱れる不具合あり。バグ?)。
現像後、Photoshopでごく弱くスマートシャープをかけていますが色合い、濃淡、トリミングなどの画像処理はしていません。
D7100で写したニコンプラザ大阪。
絞り優先AE (F3.5 1/40秒) ISO感度:400 ホワイトバランス:自動 画質RAW
中央付近をピクセル100%で切り出してみました。
ピクセル100%(RAW)。
2410万画素、ローパスフィルターレスということで、もう少し精細感のある絵を期待していましたが…
シャープネスが控えめなので、地味な印象。ただ、デジタル画像にありがちなエッジの不自然な強調がなく、これはこれですっきりしているともいえます。
通常使われる程度にシャープネスを上げればシャキッとした画像になるはず。
試しに同時記録したJPEG画像と比較してみます。
JPEG画像。
同じように中央付近を100%で切り出すと、
100%画像(JPEG)。
RAWよりコントラスト、シャープネスが強め。メリハリは効いていますが、花びらのハイライト部が白飛びして、ディテールが失われていますね。
やはりRAWの方がディテールが残っているので、画像処理のやり方次第で、いい調子に仕上げることができそうです。
◇クロップ
さて、D7100は「対DX1.3×クロップ」という機能が特徴。DXフォーマットはFXフォーマット(35mmフルサイズ)の1.5倍の焦点距離になりますが、さらに1.3倍することで、フルサイズの約2倍の焦点距離になります。
かりに200mmの望遠レンズなら、400mmの超望遠に。これは良いですね!
ただ、トリミングしているのと同じですから、画素数は落ちます。
DXフォーマットの画素数 約6000×4000ピクセル(2400万画素)
対DX1.3×クロップ 約4800×3200ピクセル(1536万画素)
当然、解像感もDXに比べて落ちますが、連写スピードが上がり、同じ記録メディアでも記録できる枚数が増えるので、使う目的によっては便利な機能。それに、クロップしても1536万画素あるのですから、たいていの場合、十分な画質でしょう。
下はDXフォーマットの画像です。
DXフォーマット。 絞り優先AE (F4 1/15秒) ISO感度:400 ホワイトバランス:自動 画質RAW
これを対DX1.3×クロップしたのが下の画像。
対DX1.3×クロップ画像。 絞り優先AE (F4 1/13秒) ISO感度:400 ホワイトバランス:自動 画質RAW
画角が狭くなり、中望遠で引き寄せた感じになりました。
ただ、クロップ画像の方がほんの少し締まりがなくなった感じがします…
実は(撮影データで分かりますが)クロップした際、シャッタースピードが1/15 → 1/13に変わってしまいました。その分、明るくなり、締まらない感じになったようです。AEの気まぐれですね。
ファインダー表示については、私が勘違いしていたことがありました。クロップした領域だけがファインダーで見えると思い込んでいたのですが、そうではなくてDXフォーマットの表示の内側にクロップした領域が線で表示され、右肩にクロップのアイコンが出るだけなんですね。
背面液晶ではクロップ領域がそのまま表示されます。そのようにファインダーで見られるようにできないのでしょうかね… 光学ファインダーでは難しいかな。EVFならできるでしょうが。
◇連写性能
連写速度も試してみました。カタログによると、下記のようになっています。
(1) DXフォーマット=(14ビットRAW撮影時)最高約5コマ/秒。
(2) 対DX1.3× クロップ=最高約6コマ/秒。
画素数が結構多いのに、これだけの連写速度があれば良い方。シャッター音も、慣れると悪くありません。
ただ今回のようにRAW+JPEG記録の場合、カタログ通りの速度で撮れるのは5~6コマまで。バッファメモリが一杯になって一旦止まってしまいます。クロップしても、少し長く撮れるかな、という程度。
JPEGだと9~10コマぐらい、ほぼ同じスピードで連写が続きました。
メモリをもっと積んでくれればいいんですが、そうなるとボディーの大きさにも影響するでしょうし、結局ハイエンド機になって価格も高くなるでしょう。
◇好感度性能
D7100の推奨露光指数はISO100~ISO6400。高感度域の画質をチェックするため、ISO400から感度を変えて、同じ被写体を写してみました。
いずれもDXフォーマット、絞り優先AE(F5.6)、ホワイトバランス:自動、焦点距離85mm、画質:RAW(SILKYPIXで画質に手を加えず*リサイズ、JPEG出力)。
( *最後に訂正あり)
ISO400。
ISO800。
ISO1600。
ISO3200。
ISO6400。
ISO400からISO6400まで、ほとんど同じ画質に見えます。思わず、コマを間違っていないか画像データを見直したほど。
ISO6400でも、わずかに左側の影の白いユリの花にざらつきが感じられる程度で、とくに背景の暗部にノイズが出ていないのが立派です。
ISO6400で十分使えます。これほど高感度性能がいいとは予想外! すごいですね。
カタログには簡単に「高感度時のノイズ低減処理に優れており…」とは書かれていましたが、これならISO25600までの拡張高感度も試してみるべきでした。
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(3/19 訂正!)
どうも高感度画像が良すぎるので調べてみたところ、SILKYPIXのRAW現像の設定で「ノイズリダクション」がかかっていました。SILKYPIXをダウンロードしたさい、設定をデフォルトのままにしていたのが原因。このため、D7100の元画像はこれよりノイズが目立つ可能性があります。掲載したISO感度別の画像は、D7100の高感度性能としては参考になさらないでください。
ただ、SILKYPIXのノイズリダクションがかなり効果があることは分かりました。D7100のRAW画像をSILKYPIXで普通に現像すると、これだけノイズが目立たなくなる訳ですから…