暑い日が続いています。こう暑くなると熱中症が気になります。そこで熱中症についてまとめてみます。熱中症とは、熱けいれん、熱失神、熱疲労、熱射病の総称です。熱けいれんは、大量に汗をかいたときに水だけしか補給しないと血液の塩分濃度が低下して、主に四肢の筋肉にけいれんがおこるものです。熱失神は、暑さのために皮膚血管の拡張し、その結果とそして血圧が低下するために脳への血流が減少して、めまい、失神などが生じるものです。顔面が蒼白くなり、脈拍数が増大します。熱疲労は、脱水による症状で、脱力感、倦怠感、めまい、頭痛、吐き気などの症状がみられるようになります。最後に熱射病ですが、これは体温の上昇によって中枢神経機能が異常となり、意識障害などがおこり、適切な処置をしないと死亡してしますような重篤なものです。ヒトの体温は一定に調節されていることはご存じだと思います。もちろん、この調節にも中枢があります。場所は脳幹にあります。あまりにも体温が上昇してしまうと、この中枢が正常に働くなってしまいます。この中枢は脳幹がある中枢神経系の細胞を温度変化から守るために機能しています。つまり中枢神経細胞は、温度変化に弱いのです。その一方で、中枢神経細胞や心臓などの細胞は常に活動しているので、熱を作り続けています。そのために、上手く熱を外へ逃がすことができないと、体温が上昇してしまうのです。したがって、体温が上昇しないように必要に応じて、発汗による気化熱の喪失、皮膚血流を増やして熱を体外へ伝わりやすくしたりしています。環境温が高いと、より積極的な体温低下が必要になります。しかし、例えば高湿環境では水が蒸発できなくなるので、発汗しても気化してくれませんので、熱を上手く体外へ排出できなくなります。すると体温は上昇し、体温を調節する中枢が機能しなくなってきます。すると、前述した熱を体外へ排出するシステムがすべて機能しなくなるので、体内の温度はさらに上がっていきます。この時、皮膚温はむしろ低下していることもあります。でも、体内の温度は上昇し続けているので、中枢神経細胞は徐々に死んでしまいます。したがって、高温で特に高湿の環境では、体温が上昇しないような注意が必要になります。ですので、運動しなくとも熱中症になるのです。高齢者では体力が低下しているために、こうした影響が出やすいと考えられます。また、運動すると筋肉細胞が熱を多量に産生するので、熱中症になりやすいということになります。高温高湿の日本では、6月から10月一杯ぐらいまでは運動する場合には熱中症の危険が常にあると考えていよいようです(もちろん、気温が特に低い場合などは別ですが・・・・)。繰り返しますが、運動しなくても熱中症になります。熱中症にはくれぐれも気をつけましょう。
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