音楽は脳のさまざまな機能を活性化するため、好きな曲を聴くと楽しい気分になることもあれば、大好きな曲で昔を思い出して懐かしさに浸ることもある理由を説明できるかもしれないとの研究結果が、先日Scientific Reportsに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。若い被験者21人にロック、ラップ、クラシックなどのさまざまな種類の音楽を聴かせ、その間に機能的磁気共鳴断層撮影法(fMRI)スキャナーを使用して脳活動のマッピングを行ったそうです。被験者に聴かせた6曲は、それぞれ長さが5分間で、うち4曲は各ジャンルを代表するとされるもの、1曲はあまり知られていない曲、もう1曲は被験者が大好きな曲としたものを選んだそうです。その結果、被験者が聴かされている曲が好きか嫌いかを示す脳活動のパターンが存在することを発見したというのです。さらに、大好きとした曲がかかった時に発生する特徴的なパターンも発見。好みだが大好きとした曲ではない曲を聴くと、脳の両半球で「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」と呼ばれる神経回路が活発に。DMNは「内省重視型」の思考にとって重要とされているそうです。また大好きな曲を聴くと、隣接する海馬でも脳活動の活発化がみられたそうです。海馬は、記憶と社会活動に関連する感情をつかさどるとされています。音楽のジャンルは非常に広く、好みは個人的なものであることを考えると、今回の実験で得られたfMRIパターンが被験者間で非常によく似ていることが確認されたのはある意味驚きだそうです。そして、音楽を聴くことによって皆同じような感情および精神の状態が経験される理由が、今回の研究結果で説明できるかもしれないということです。
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