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豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

活性酸素が精子幹細胞の増殖を促進

2013-06-15 08:30:00 | 研究
精子幹細胞の増殖に活性酸素が関与するらしいです(QLife Pro)。 従来の活性酸素=悪者、という常識を覆し、不妊治療の技術開発につながるものとして注目されます。活性酸素による酸化ストレスは、さまざまなステージの精子形成細胞にダメージを与え、不妊症につながることが知られているそうです。これまでの研究では、精子を作り続ける精子幹細胞にも毒性をもち、細胞死を引き起こすと考えられてきたそうです。今回、活性酸素を低下させることで、試験管内で培養された精子幹細胞の増殖が抑制され、適度な量の過酸化水素の添加により、幹細胞の増殖が促進されることが明らかになったそうです。また、過酸化水素添加条件下で長期間培養された幹細胞からは、正常な精子を得ることができたとも。さらに、マウスを使った実験では、活性酸素の低下が精原細胞の増殖低下を引き起こし、活性酸素の産生に寄与するNADPH oxidase 1(NOX1)分子欠損マウスでは、精子幹細胞の自己複製能力が著しく低下していたそうです。このことから、活性酸素レベルが精子幹細胞の運命決定に影響し、適度な活性酸素が精子幹細胞の自己複製と生存に必要であることがわかったというのです。これまでの不妊治療では、いかに酸化ストレスを減らすかが技術開発のポイントとなっていたそうですが、幹細胞レベルの研究から、これを見直す必要があるということのようです。
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