胸骨骨髄炎や縦隔炎に対して、感染の制御および閉創目的に大網充填術を行い、感染が終息したあと、その後はどうなっているか。
退院して外来通院されている患者さんの創部をみると、創は残りますが、血流が改善するためか、創部の癒合が悪いという患者さんはほとんどいません。大網自体に血流があり、そこから周囲に血流を供給するというよりも、皮膚や組織にかかる緊張が除かれていることが状態を良くする理由かもしれません。こうした患者さんは日常生活に何の支障もなく生活を送っています。
大網を胸骨の間に設置するため、胸骨が若干動揺しますが、それによって呼吸が抑制されるという症例は稀です。しかしながら、もともとFrail(フレイル)な症例(虚弱で体力がない高齢患者)では、もともと呼吸の状態がぎりぎりであり、開創している状態から大網を充填して閉創したことをきっかけに呼吸する力が低下して長期間人工呼吸器の補助を必要になった患者さんを経験したことがあります。この人工呼吸器からの離脱には数カ月を要しましたが、幸い最終的には少しずつ呼吸筋が回復したのか、人工呼吸器離脱できました。この場合は長期の人工呼吸管理のために気管切開が必要になります。
退院して外来通院されている患者さんの創部をみると、創は残りますが、血流が改善するためか、創部の癒合が悪いという患者さんはほとんどいません。大網自体に血流があり、そこから周囲に血流を供給するというよりも、皮膚や組織にかかる緊張が除かれていることが状態を良くする理由かもしれません。こうした患者さんは日常生活に何の支障もなく生活を送っています。
大網を胸骨の間に設置するため、胸骨が若干動揺しますが、それによって呼吸が抑制されるという症例は稀です。しかしながら、もともとFrail(フレイル)な症例(虚弱で体力がない高齢患者)では、もともと呼吸の状態がぎりぎりであり、開創している状態から大網を充填して閉創したことをきっかけに呼吸する力が低下して長期間人工呼吸器の補助を必要になった患者さんを経験したことがあります。この人工呼吸器からの離脱には数カ月を要しましたが、幸い最終的には少しずつ呼吸筋が回復したのか、人工呼吸器離脱できました。この場合は長期の人工呼吸管理のために気管切開が必要になります。