病気に休日はありません。その疾患と戦う医療では24時間 365日営業が基本です。しかしながら、働き方改革が話題となる現在では、働きすぎる傾向がある医師に、労働時間を抑制するような動きが進んでいます。心臓血管外科医を志す医師の修業時代は当然のことながら、他の医師以上に圧倒的に病院内に滞在する時間が長いといえます。筆者も心臓血管外科に入局して徐々に自分の出来る仕事も増えてくるとますます院内に滞在する時間が長くなり、ほとんど合宿しているような状況で、最大一か月で26日間泊まり込んだこともありました。だいたい月の10~15日はほとんどの医局員が病院に泊まり込んでいました。このころの時間外勤務はどのくらいになるのでしょうか。このころは、時間外勤務という概念が希薄だったので、ちゃんと計算したことはありませんでした。それでいて、夏休みが2週間認められていたので、それを心のよりどころに頑張っているのでした。ある日、症例数が多くなってきて、夏休み期間中に手術を組むことが難しくなってくると、教授が夏休みは一週間でいいのではないか、と言い出したことがありましたが、この時は講師であった先輩医師が大激怒して強硬に反対し、その後も2週間の夏休みが認められて現在に続いています。横須賀市立うわまち病院のように少人数で1チームしかない施設では残念ながら、2週間も休んでしまうと、売り上げが4~5%も下がってしまうので現実的には無理です。3日間の夏季休暇に有給休暇や祝日、土日の休日を組み合わせて1週間程度のお休みをもらうようにしています。筆者の場合は、必ず祝日と組み合わせてとって手術日程に極力影響が出ないように設定する為、どうしても旅費が高い時期になってしまいます。
医局員が派遣されている他病院で、心臓血管外科医が毎月250~300時間近く時間外手当を申請している、として院長から指摘され、100時間以内に減らすように指導されたことがありました。300時間というと、週に75時間、一日10時間の時間外労働をしていることがあります。もちろん深夜の長時間の緊急手術などは徹夜で労働することもあるので10時間以上の時間外労働となることもありますが、一日は24時間しかないので、8時間労働+10時間の時間外労働となると、睡眠時間は最大6時間しかとれず、不正に請求していたもの、と思います。月に100時間の時間外勤務でも、毎日4時間近い時間外労働が必要になりますが、こんなに時間外労働が必要な職場というのは、症例が多くて忙しい、という以上に手術時間が長く、合併症が多い、ということになり、その対処に時間がとられている、ということを表しています。筆者が月に26日間病院に泊まり込んだのも、術後の心不全の為、病院初の補助人工心臓の装着が必要になり、その管理と合併症対策につきっきりになったためでもあります。手術が速く、合併症がなければ、術後も手がかからないので、時間外に働く必要はありません。緊急手術にしても、手術が速ければそれだけ、時間外の労働も短くなります。手術を速くして、次の症例にも対応する、というのが理想です。そうしたスマートに働く医師になりたいものです。
横須賀市立うわまち病院では、最近はMICS(Minimally Invasive Cardiac Surgery =小開胸の心臓手術)症例が多い為、ますます術後の状態が安定し回復も速く合併症も少ないので定時であがれることが多くなっています。もちろん、オンコールや当直もありますが、それ以外のスタッフは早ければ5時ぴったりにあがっています。筆者の場合は、書類仕事などの臨床以外の仕事も多い為、5時ぴったりに毎日上がれるわけではありませんが、それでも雑用を後回しにしてしまえば、早くあがれます。緊急手術には基本すべて対応しているため、電話連絡が常にとれるような体制にはしていますが、その分、休めるときには休むように意識的にしています。
医局員が派遣されている他病院で、心臓血管外科医が毎月250~300時間近く時間外手当を申請している、として院長から指摘され、100時間以内に減らすように指導されたことがありました。300時間というと、週に75時間、一日10時間の時間外労働をしていることがあります。もちろん深夜の長時間の緊急手術などは徹夜で労働することもあるので10時間以上の時間外労働となることもありますが、一日は24時間しかないので、8時間労働+10時間の時間外労働となると、睡眠時間は最大6時間しかとれず、不正に請求していたもの、と思います。月に100時間の時間外勤務でも、毎日4時間近い時間外労働が必要になりますが、こんなに時間外労働が必要な職場というのは、症例が多くて忙しい、という以上に手術時間が長く、合併症が多い、ということになり、その対処に時間がとられている、ということを表しています。筆者が月に26日間病院に泊まり込んだのも、術後の心不全の為、病院初の補助人工心臓の装着が必要になり、その管理と合併症対策につきっきりになったためでもあります。手術が速く、合併症がなければ、術後も手がかからないので、時間外に働く必要はありません。緊急手術にしても、手術が速ければそれだけ、時間外の労働も短くなります。手術を速くして、次の症例にも対応する、というのが理想です。そうしたスマートに働く医師になりたいものです。
横須賀市立うわまち病院では、最近はMICS(Minimally Invasive Cardiac Surgery =小開胸の心臓手術)症例が多い為、ますます術後の状態が安定し回復も速く合併症も少ないので定時であがれることが多くなっています。もちろん、オンコールや当直もありますが、それ以外のスタッフは早ければ5時ぴったりにあがっています。筆者の場合は、書類仕事などの臨床以外の仕事も多い為、5時ぴったりに毎日上がれるわけではありませんが、それでも雑用を後回しにしてしまえば、早くあがれます。緊急手術には基本すべて対応しているため、電話連絡が常にとれるような体制にはしていますが、その分、休めるときには休むように意識的にしています。