横須賀うわまち病院心臓血管外科

お気軽にコメントいただければ、一般の方の質問にも心臓血管外科専門医が答えます。

胸部外科学会関東甲信越地方会

2018-11-04 19:43:28 | 心臓病の治療
 胸部外科学会の関東甲信越地方会が11月3日 開催されました。

横須賀市立うわまち病院心臓血管外科からも、左室形成術後の感染性心内膜炎による左室仮性瘤形成に対する再左室形成術についての症例報告を行いました。感染性心内膜炎が左室形成部に発生すること自体、報告なく、またこれを再度の左室形成術で根治させること自体が非常に珍しい治療経験です。また、初回手術は胸骨正中切開で、冠動脈バイパス術も併施していることから、左開胸によるアプローチで、冠動脈バイパスを損傷することなく、また、大動脈遮断することなく治療する、疾患にとってベストな術式選択として意味のある症例報告と思います。

 地方会では、心臓腫瘍のセッションでの座長をしました。非常に珍しい症例報告もあり、勉強になるセッションでした。
 また、学生や初期研修医の発表するセッションもありましたが、今の学生さん、研修医の発表のレベルの高さに驚きました。将来の心臓血管外科医として有望と思いました。

 しかしながら、意外にも最近話題のMICS(低侵襲心臓手術)の演題が非常に少なかったです。まだ普及がこれからと言ったところであることと、地方会の場合は若手のドクターが発表することが多いので、より難易度の高いMICSを担当するチャンスがまだ少ないということなのかもしれません。

 心臓血管外科医としての勉強の機会としての学会は、胸部外科学会、心臓血管外科学会、血管外科学会およびそれらの地方会などがあります。
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医局人事

2018-11-02 18:54:24 | 心臓病の治療
横須賀市立うまわち病院心臓血管外科チームは、自治医科大学さいたま医療センター心臓血管外科の医局から派遣されています。グループ内で統一した手技、治療内容として、クオリティの維持に努める一方、人事に関してもスタッフミーティングで話し合われます。最終的には、医局のリーダーである教授が最終決定します。
筆者もいままでのこの10年間、1-2年おきに移動を繰り返してきましたが、今の施設は既に三年目に入っており、立ち上げ時の二年間を合わせると五年目、すっかり横須賀人になりつつあります。もともとゆかりのある横須賀にこのまま骨を埋めることになるかどうかはわかりませんが、どこにいても、患者さんと病気がある限り、仕事がある限り、目の前の仕事に一生懸命取り組むだけです。
これから、来年の人事も含めたスタッフミーティングです。
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寒くなってきました =急性大動脈症候群の季節

2018-11-01 17:53:05 | 大動脈疾患
 大動脈瘤破裂や大動脈解離など、大動脈の急性の疾患を急性大動脈症候群とよぶ場合があります。

 こうした突然発症する重篤な病気は往往にして、同時期に同時多発的に発症する印象があります。特に急に冷え込む季節の変わり目など多い印象があります。横須賀市立うわまち病院でもこの一週間で、大動脈解離や腹部大動脈瘤破裂など複数の緊急症例が搬送され緊急手術を実施しました。

 こういうときこそ、血圧を自分で測定したりして発症予防に努める必要があります。
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