2007年も、やっぱり天声人語!
ということで、2005年の元旦に「初日の出を見た」という大ウソを書いた天声人語を、今年も見守っていきたいと思います。
さて、今年最初の作品を紹介します。
例によって全文引用です。
『夜更けに空を仰ぐ。雲間に、全天一の輝きをもつ恒星シリウスが青白い光を放っている。その右上にオリオン座の雄大な四辺形が浮かぶ。「オリオンは高く うたひ/つゆとしもとを おとす」。こう詠んだ宮沢賢治のふるさと、岩手県の花巻市を訪ねた。 夜が明けると、薄日の差す空から、はらはらと雪が落ちていた。ほおにひとつ、またひとつ、はかなくとけてゆく。雪をかぶった小さな広場に足を踏み入れると、賢治の童話「雪渡り」の世界が目に浮かんできた。 「堅雪かんこ、凍(し)み雪しんこ」。こう言い交わしながら、人間の子どもと狐の子たちが心を通わせてゆく。動物も人間も、一度だけの生を生きる者同士という思いが感じられる。 雪で人工的なものが白く覆われたせいか、山や川と人との間に一体感が生じているように見える。悠久の自然と命ある生き物とは対照的だが、銀河系の片隅でたまたま時を同じくして巡り合ったもの同士と考えれば、交感があっても不思議ではない。 賢治がかつて教えた農学校を前身とする花巻農業高校に、こんな碑文がある。「われらに要るものは 銀河を包む 透明な意志 巨きな力と 熱である」 近くには、賢治が農民や若者を指導したという建物が保存されている。入り口に、こう書かれている。「下ノ畑ニ居リマス」。賢治はもう、畑には居ない。しかし、生き物だけではなく、宇宙や大地の鼓動にも耳を澄ませた精神を、今こそ生かしたい。雪の民家の戸口に、正月飾りがきらめくのを眺めながら、賢治の居場所を思った』
いや、普通のコラムだと思う。
まあ、最後の『宇宙や大地の鼓動にも耳を澄ませた精神を、今こそ生かしたい』という部分は、何が言いたいのかよくわからないけど。
これを読むと、ホントに天声人語子は、文学にも造詣が深いし物知りだと思う。
残念ながら、それが文章に生かされていないのが難点ですかね。
でも、年末年始にわざわざ岩手県まで行くとは、よっぽど宮沢賢治が好きなのだろうか。
過去にも何度か引用しているし。
それとも、実家が近くにあるので、出張と称して里帰りしているわけではあるまいな。
今年もやはり目が離せません。
ということで、2005年の元旦に「初日の出を見た」という大ウソを書いた天声人語を、今年も見守っていきたいと思います。
さて、今年最初の作品を紹介します。
例によって全文引用です。
『夜更けに空を仰ぐ。雲間に、全天一の輝きをもつ恒星シリウスが青白い光を放っている。その右上にオリオン座の雄大な四辺形が浮かぶ。「オリオンは高く うたひ/つゆとしもとを おとす」。こう詠んだ宮沢賢治のふるさと、岩手県の花巻市を訪ねた。 夜が明けると、薄日の差す空から、はらはらと雪が落ちていた。ほおにひとつ、またひとつ、はかなくとけてゆく。雪をかぶった小さな広場に足を踏み入れると、賢治の童話「雪渡り」の世界が目に浮かんできた。 「堅雪かんこ、凍(し)み雪しんこ」。こう言い交わしながら、人間の子どもと狐の子たちが心を通わせてゆく。動物も人間も、一度だけの生を生きる者同士という思いが感じられる。 雪で人工的なものが白く覆われたせいか、山や川と人との間に一体感が生じているように見える。悠久の自然と命ある生き物とは対照的だが、銀河系の片隅でたまたま時を同じくして巡り合ったもの同士と考えれば、交感があっても不思議ではない。 賢治がかつて教えた農学校を前身とする花巻農業高校に、こんな碑文がある。「われらに要るものは 銀河を包む 透明な意志 巨きな力と 熱である」 近くには、賢治が農民や若者を指導したという建物が保存されている。入り口に、こう書かれている。「下ノ畑ニ居リマス」。賢治はもう、畑には居ない。しかし、生き物だけではなく、宇宙や大地の鼓動にも耳を澄ませた精神を、今こそ生かしたい。雪の民家の戸口に、正月飾りがきらめくのを眺めながら、賢治の居場所を思った』
いや、普通のコラムだと思う。
まあ、最後の『宇宙や大地の鼓動にも耳を澄ませた精神を、今こそ生かしたい』という部分は、何が言いたいのかよくわからないけど。
これを読むと、ホントに天声人語子は、文学にも造詣が深いし物知りだと思う。
残念ながら、それが文章に生かされていないのが難点ですかね。
でも、年末年始にわざわざ岩手県まで行くとは、よっぽど宮沢賢治が好きなのだろうか。
過去にも何度か引用しているし。
それとも、実家が近くにあるので、出張と称して里帰りしているわけではあるまいな。
今年もやはり目が離せません。
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