意外と盛り上がっているのが、大学生の数学(算数)の能力低下の話題。
先日も、日本数学会というところが実施した「大学生数学基本調査」によると、国公私立48大学の1年生を中心とした5934人を対象に行った、統計や論理など5分野の「基礎的数学力テスト」の中で、「平均」に関する問題で、24%(約4分の1)が間違えたそうだ。
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1698438.html
さて、その問題とは以下の通り。
<問題>
ある中学校の三年生の生徒100 人の身長を測り、その平均を計算すると163.5 cm になりました。この結果から確実に正しいと言えることには○を、そうでないものには×を、左側の空欄に記入してください。
(1) 身長が163.5 cm よりも高い生徒と低い生徒は、それぞれ50 人ずついる。
(2) 100 人の生徒全員の身長をたすと、163.5 cm × 100 = 16350 cm になる。
(3) 身長を10 cm ごとに「130 cm 以上で140 cm 未満の生徒」「140 cm 以上で150 cm 未満の生徒」・・・というように区分けすると、「160 cm 以上で170 cm 未満の生徒」が最も多い
もちろん、正解は(2)が○で、(1)(3)は×だ。
だけど、(2)の「全員の身長をたす」ということの意味がわからない。
普段、そんなことはやらないからだ。
バスケットボールの試合で、「このチームは、5人の身長を足すと、何と10メートルを越します」などと紹介したところで、今いちイメージがわかない。
単なる計算式として考えれば当たり前のことであるとは言え、「身長をたす?」というところに引っかかる人もいるかも知れない。
それと、一般的なイメージとしては、(1)は○だと思ってしまう人が多いと思う。
「平均」とは、そもそも「真ん中」というイメージが強いので、よくそのような意味合いで使われることも多い。
ところが、このイメージが時に誤解を招くことがある。
例えば、10人がテストを行い、50点が7人、40点が1人、10点が1人、0点が1人いた場合、この10人の平均点は40点となる。
では、この平均点を取った40点の人は、「全体の真ん中か?」というと、そうではない。
それどころか、上から数えて8番目、つまり下から3番目となる。
もうひとつ。
同じく10人がテストを行い、100点が5人、0点が5人いた場合、この10人の平均点は50点となる。
しかし、この平均点50点に近い点数の者は誰もいない。
一般的には、「平均点50点」というと、「50点あたりの点数を取っている者が多い」というイメージとともに、「そこそこのクラス」という感じになると思うのだが、現実とはまったくかけ離れている。
要は「そこそこ」どころか、「頭のいいヤツが半分、バカが半分」という、えらく極端なクラスであるということだ。
つまり、平均点からは、実態がよくわからない、ということになる。
かように、統計というものは、そう簡単ではない・・・と思う。
身近なところでは、「偏差値」なるものがある。
まあ、平均値が50なわけで、一般的にはこの50を超えるか超えないかで、その対象となるものの評価が決まってくる。
大学などではよく使われるが、この数値が変わったからといって、その大学のレベルが上がったわけではない、という例が多い。
もちろん、底辺大学が一気に増えてきた影響だ。
低レベルの大学が増えたせいで、何にもしなくても、「平均」以上の大学は、偏差値が上がっていく。
結局のところ、平均とか統計などというものは、データの数やバラツキ、その他いろんな要素を考慮しないと、単純に結論を出すわけにはいかない。
それはいいとしても・・・
この「身長の問題」において、「東京大など最難関国立大グループの正答率は94.8%」って、残りの5.2%の学生は、これを間違えたのか?
<追記>
当初、学力テストの問題文について、「正解は(2)だ」と書いてしまいましたが、問いは「○×で答えよ」でしたので、その部分は修正しました。
先日も、日本数学会というところが実施した「大学生数学基本調査」によると、国公私立48大学の1年生を中心とした5934人を対象に行った、統計や論理など5分野の「基礎的数学力テスト」の中で、「平均」に関する問題で、24%(約4分の1)が間違えたそうだ。
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1698438.html
さて、その問題とは以下の通り。
<問題>
ある中学校の三年生の生徒100 人の身長を測り、その平均を計算すると163.5 cm になりました。この結果から確実に正しいと言えることには○を、そうでないものには×を、左側の空欄に記入してください。
(1) 身長が163.5 cm よりも高い生徒と低い生徒は、それぞれ50 人ずついる。
(2) 100 人の生徒全員の身長をたすと、163.5 cm × 100 = 16350 cm になる。
(3) 身長を10 cm ごとに「130 cm 以上で140 cm 未満の生徒」「140 cm 以上で150 cm 未満の生徒」・・・というように区分けすると、「160 cm 以上で170 cm 未満の生徒」が最も多い
もちろん、正解は(2)が○で、(1)(3)は×だ。
だけど、(2)の「全員の身長をたす」ということの意味がわからない。
普段、そんなことはやらないからだ。
バスケットボールの試合で、「このチームは、5人の身長を足すと、何と10メートルを越します」などと紹介したところで、今いちイメージがわかない。
単なる計算式として考えれば当たり前のことであるとは言え、「身長をたす?」というところに引っかかる人もいるかも知れない。
それと、一般的なイメージとしては、(1)は○だと思ってしまう人が多いと思う。
「平均」とは、そもそも「真ん中」というイメージが強いので、よくそのような意味合いで使われることも多い。
ところが、このイメージが時に誤解を招くことがある。
例えば、10人がテストを行い、50点が7人、40点が1人、10点が1人、0点が1人いた場合、この10人の平均点は40点となる。
では、この平均点を取った40点の人は、「全体の真ん中か?」というと、そうではない。
それどころか、上から数えて8番目、つまり下から3番目となる。
もうひとつ。
同じく10人がテストを行い、100点が5人、0点が5人いた場合、この10人の平均点は50点となる。
しかし、この平均点50点に近い点数の者は誰もいない。
一般的には、「平均点50点」というと、「50点あたりの点数を取っている者が多い」というイメージとともに、「そこそこのクラス」という感じになると思うのだが、現実とはまったくかけ離れている。
要は「そこそこ」どころか、「頭のいいヤツが半分、バカが半分」という、えらく極端なクラスであるということだ。
つまり、平均点からは、実態がよくわからない、ということになる。
かように、統計というものは、そう簡単ではない・・・と思う。
身近なところでは、「偏差値」なるものがある。
まあ、平均値が50なわけで、一般的にはこの50を超えるか超えないかで、その対象となるものの評価が決まってくる。
大学などではよく使われるが、この数値が変わったからといって、その大学のレベルが上がったわけではない、という例が多い。
もちろん、底辺大学が一気に増えてきた影響だ。
低レベルの大学が増えたせいで、何にもしなくても、「平均」以上の大学は、偏差値が上がっていく。
結局のところ、平均とか統計などというものは、データの数やバラツキ、その他いろんな要素を考慮しないと、単純に結論を出すわけにはいかない。
それはいいとしても・・・
この「身長の問題」において、「東京大など最難関国立大グループの正答率は94.8%」って、残りの5.2%の学生は、これを間違えたのか?
<追記>
当初、学力テストの問題文について、「正解は(2)だ」と書いてしまいましたが、問いは「○×で答えよ」でしたので、その部分は修正しました。
そしてこの問題にて盛り上がった背景には、問題そのものが悪いのではないかという話があります。
この問題の(2)の正答は○なのですが、それには有効数字を考慮しないこと条件とします。 つまり163.51cmであったとしても有効数字1ケタで表した場合16351cmとなるのです。 それゆえに問題文にて有効数字について言及しなければならないのですが、この問題ではそれに該当する文がないので、深読みしてしまった「賢い」学生が間違えてしまうという事態になっているのです。
マスコミはその事実について一切言及してませんから世間では今の若者は頭が悪いと一言で済ませてしまうでしょうが、実際には25%の内のいくらかは本当に頭の良い人たちなのですよ。
なるほど、「正解はどれ?」ではなくて、確かに「○×」形式でしたね。
その部分は訂正しました。
有効数字については、そうすると「賢い」学生は、すべて「×」にしてしまった、ということですね?
いくら何でも深読みのしすぎのような気もしますが、それが「賢い」学生の証明でもあるのですかねえ
ご指摘ありがとうございました。