はぶて虫のささやき

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(旧:はぶて日記)

映画評1044 ~ 名探偵コナン ハロウィンの花嫁

2022-04-17 | 映画評
今日は「名探偵コナン ハロウィンの花嫁」を見ました。

青山剛昌の人気漫画を原作にしたアニメの劇場版シリーズ第25弾。公安警察・降谷零の首に装着された首輪型爆弾を解除しようと、江戸川コナンたちがハロウィンでにぎわう渋谷を駆け回る。コナン役の高山みなみ、毛利蘭役の山崎和佳奈、毛利小五郎役の小山力也、安室透/降谷零役の古谷徹ら、シリーズを支えるボイスキャストが結集している。


渋谷で執り行われていた警視庁捜査一課強行犯三係の佐藤美和子刑事の結婚式に暴漢が乱入し、彼女を守ろうとした高木渉刑事が負傷してしまう。そのころ、警察庁警備局警備企画課に所属する降谷零は、脱獄した連続爆破事件の犯人を追跡していた。かつて佐藤刑事が思いを寄せていた松田陣平刑事を殉職させた因縁の相手を追い詰めた降谷だが、そこへ現れた謎の人物に首輪爆弾を着けられてしまう。爆弾を解除しようとする江戸川コナンは、正体不明の仮装爆弾犯「プラーミャ」と一連の事件の関連を知る


本シリーズも25作目となる。

すでに何度も何度も何度も・・・書いているように、もはや推理なんかとうでもよくて、スケールだけはやたらとデカい、でも展開がムチャクチャという内容は変わらない。

今作は、ネットでの評判が結構高かったし、中盤までは特に違和感もない感じで進むのだけど、後半になり、中盤までの出来事と突き合わせていくうちに「はあ?」という展開が随所に出てくる。

まず、犯人はニブい私でも割と簡単にわかるほど、筋立てに工夫がない。

しかも、今作の犯人は単独犯だけど、そもそも何のために爆破をしているのかよくわからないヤツで、しかも自分の姿を見た者は皆殺しにする、という超過激な犯罪者だ。

そのために、わざわざ出張っていって、大袈裟な仕掛けをしてまでして殺そうとする。

何のためにやっているのかわけのわからない爆破魔だ。

そして、この過激な爆弾魔に恨みを持つ人たちが、裏組織を作って、爆弾魔に対する復讐を図る、という展開となっているのだけど、その舞台が日本となっているわけだ。

まず序盤で、この裏組織の一人が、爆弾魔のワナにかかり、PCに仕込まれた爆弾によって殺害されるのだが、ここにコナンたちが遭遇する。

その時、この裏組織の男が、一枚のメモを落とすことで、コナンたちが関与することになる・・・という展開はいいのだけど、後になって考えてみると、このメモというのがかなりおかしい。

殺害される直前に、メモを拾った灰原哀に対して「これは、とても重要なものなんだ」と答えるのだけど、そんな重要なメモを、誰にも接触していないし、ポケットから何か取り出そうとしたわけではないのに落としてしまう、というのは、たとえポケットに無造作に突っ込んでいたにしても、あり得ないだろうと思われる、実に意味不明な展開だ。

しかも、そのメモにはロシア語で暗号めいたことが書かれていたわけだが、そんなものを日本の警察に渡したところで、なんのことやらさっぱりわからないはずなのに、どうしてわざわざそんなわけのわからないことをしたのか理解できない。

そして、その暗号の意味というのが、爆弾魔が爆破しようとしている渋谷駅前の通りを示す図と、爆弾魔の特徴などを表していたのだけど・・・

これ裏組織の男が、自分で書いたんだろ?

わりやすくはっきりと書けばいいのに、どうしてこんなわかりにくい書き方をしたの?

後になって考えてみるに、この渋谷の通りを表す図が、一部が欠けることによって「¥(円マーク)」に見えるので、見る者に誤解を与えてしまいそうになるところを、名探偵であるところのコナンがそれを解読する・・・という展開のためだけに無理やり作ったような暗号なので、はっきり言えば、まったく不要な暗号だと思う。

さらに、この暗号が書かれたメモは焼失してしまうのだけど、焼けてなくなる直前に、ちらっと見ただけの毛利蘭が、その内容をはっきりと覚えていた、というこれまた「ウソだろ?」という展開によって、コナンがこの暗号の解読することができるのだけど、いったいどういう思考回路を経たら、こんな展開を思いつくの?

そして、実際ハロウィンの当日に、渋谷の通りに爆弾が仕掛けられるのだけど、単独犯であるはずなのに、あれほど広範囲にわたってどうやって爆弾を仕掛けたの?

今回この爆弾魔が使用する爆弾は、二つの液体が混ざり合うことによって大爆発を引き起こす、というタイプのものなんだけど、液体であるだけに、ある程度の重量があるはずなのだが、飾り物であるカボチャに仕掛けるだけでも大変なのに、あんなものがまるで風船みたいに浮いていること自体、不自然極まりない。

たぶん、一般市民をバイトで雇ってやらせた、ということなんだろうけど、相当大変な作業なはずで、「こんなの無理だよ」とか言いながらやってたのか?

少なくとも、映画を見ている人の中には、誰もあのカボチャに液体が仕掛けられているとは思わないだろう。

そんな中、爆弾魔によって首に爆弾を仕掛けられた安室たちは、コナンが浴びた液体を分析することによって、この液体を中和化する薬品を、たった一日で作り出してしまう、というのはまだ許せるとして、その安室が爆弾魔に対して罠を仕掛けて、ヘリコプターで脱出しようとした爆弾魔を捕まえようとするのだけど・・・

ヘリコプターを空中で爆破させた上に、それに飛び乗って爆弾魔と格闘している場面は、さすがに唖然とした。

あんなもの、墜ちたら二人とも即死するだろうに、バランスを失ってグルグル回転しながら落下しているヘリコプターの中で、格闘しながら地面に激突して大破したにもかかわらず、二人ともほぼ無傷(安室はちょっと衝撃を食らっていたが)というアホみたいな展開にした脚本は、いったい誰が考えたの?

そして、クライマックスでは、カボチャに仕掛けられた薬品が落下してきて、渋谷の中心付近で混ざり合おうとしているのを防ぐ、というシーンになるのだけど、大きな風船で流れ出た二つの薬品の間を塞げば大丈夫、という発想は、いったいどうやれば出てくるの?

薬品は、地上を流れているだけではなく、マンホールなどの隙間があれば、地下にも流れていくだろうから、地下で混ざり合うかも知れないし、渋谷にいた人たちは薬品の中を逃げ惑っていたわけだから、別々の薬品に触れた者同士が、別の場所で遭遇しただけでも、エラいことになるんじゃないの?

などなど、中盤まではたいして違和感なく見られていたのに、終盤になって、これまでの展開の謎解きがされるようになってからは一変。

よく、こんないいかげんな脚本を書いたものだと、改めて感心(?)してしまった。

これ書き終わった時に、何の違和感も持たなかったの?

もしかして、暗号とか、最後の危機回避シーンとか、「よし、これで完璧!」とか思ったわけではないだろうな。

ということで、今作も相変わらずムチャクチャな展開だったけど、もはや「これがコナンだ」と思うしかないので、怒りをぐっと堪えて、評価は「C」にとどめておきます。


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