老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

おがたまの花

2015-05-20 09:43:34 | 俳句
 お寺の庭苑で高さ3メートル位で、良い香りを放つ花の咲く木を見ていた。
「この花の木の名前は何と言うんでしょう」と声をかけられた。
「近所の庭にも咲いているんだけど、名前は知らないんですよ。でも、いつも
気になっていて」と応えた。
 花は直径5センチくらい、白い花が上向きに咲いてゐる。底が薄い紫がっかた紅色
をしている。近所のは花びらの数は少なめで、薄い黄色がっかた花である。
私には、朴の花の小型のように見える。が、葉は全く違う。まあ早く言えば夾竹桃の葉の形
かなあ?
辛夷に似た花を咲かせている木もある。
 東京からの旅人。10分程、いろんな花の話をした。明日は松山ですと別れて行った。


    ☆  をがたまや新月のごとき花ひらく     長谷川櫂
    ★  月暗き夜ををがたまの花ひらく
    ☆  をがたまの花に眠れる人は誰
    ★  をがたまの一樹の花の主かな


  後日、この句を読む。
 をがたま なる花を知らない。どんな花?かと、調べる。   
何と、何と、あのお寺での花ではないか。
 日本神話においては、天照大神の天岩戸隠れにおいて、天岩戸の前で
舞った細女命が、この花を手にしていたと言う説もある。
 一円硬貨に施されている木の図案は 招霊(をがたま)の木だと言われている。
花言葉は 「甘い誘惑」 さもありなん。

 お義父さまのお伴で、四国一周の旅をしていたご婦人、もう旅は終えたかしら。
櫂さんの句をもっと前に読んでいたなら私も、花の名前をお教しえできたかも知れない。

   
     🎲   をがたまの花風鐸のふいに鳴る   

   
コメント
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