老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

     たらちねの忌 石仏を拝す

2018-08-18 18:45:08 | 俳句
          

 母の忌を修すため、実家にはお盆の墓参りも済ませているから、今日は町にある磨崖仏を訪ねた。

 何年か前一度、お詣りをしたのだが記憶の磨崖仏とは違う。
お寺の名前もあっているのだけれど、以前は息子に連れて来てもらった場所とちょっと違うようだ。

       🍒     信心の母の忌一と日夏遍路

     

 何はともあれ、蝉時雨の参道を400メートル登る。

       🍒     信仰の丘眼下より風涼し

       🍒     丁石の文字古りけり蝉時雨

            

以前は仏さまのお傍まで車で行った。もう少し小さかった。
どうも、この磨崖仏のもっと奧に新しく彫られた仏さまもあるらしい。夏草が生い茂っているので無理はせず,
新しい磨崖仏を拝するのは諦めた。

仏さまのお優しそうなお顔。
風雪で巌が風化されて、剥落が激しく痛んでいる。
丸みを帯びた、良きお顔をしておられる。


< 西教寺から北へ約800メートル、火山に通じる険しい山道の中腹に「穴薬師」の名で知られる西教寺奥の院がある。堂外の凝灰岩の岩壁の光背をあらわす円形のくりこみをつくり、如来形の頭部と肩から上半身を彫りだしている。面長約50センチで中肉彫り、胸部は薄肉彫り、下部は岩盤そのものが剥落していて当初の状態は確認できない。 >

       🍒      磨崖仏拝す匂へる葛の花  

       🍒      箒草母なき月日顧みる

         

       🍒      段々の山の田猪垣延々と

       🍒      瞑想や夏草の香の山中に

       🍒      初鵙や八十八の石仏に

       🍒      たらちねの慈愛の眼夏逝ける 

       🍒      臭木咲くじぐざぐに下る山の道      


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