老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

       忘れ杖

2018-08-11 22:06:16 | 俳句

             
             (写真は郷照寺での忘れ杖)


夫が杖を安楽寺に忘れて来たと云う。
どこの寺でも、本堂や大師堂の階の下や、三門を潜った目立つ場所に杖立がある。

 安楽寺でお詣りをする時、階段の下に杖立があり、そこへ杖が一本立ててあった。
内陣にはお詣りをする人の姿は見えないから、先ほどの杖はお遍路さんが忘れて行ったのだと
思った。

 夫の杖は遍路杖とは違う。
常に使用をしている、そこらのお店で求めたもので、最初は犬と散歩をする時、殿 をめがけて野良犬が牙をむいて吠えるから、犬を追い払うための護身用の杖であった。
殿ちゃんが亡くなってからも、散歩の時は、それをいつも携えて行くのが普通になっていた。

 その杖を札所寺に忘れてしまったらしい。
困ったようで、無くても不自由なような曖昧な杖であるが、長年何かにつけ愛用をしていたから、惜しいといえば惜しいが諦めのつく杖だった。

 お遍路さんの忘れ物には杖とお数珠が多い。
どこの寺にも、忘れ物コーナーがあり、遍路笠ならぬ麦藁帽子や毛糸の帽子もある。
皆さん、歩いているうちに忘れ物に気がつくのだろうが、取りに戻るのも又困難な道であるだろうし、そのまま前進をすることに。
杖は険しい山道でああ苦し、いしんどいと自分の不注意を嘆くのであろうな。
山道ではちょうど良い長さの木切れを代用品にするかな?

 そんな事をいつも想像をしていた忘れ杖を夫がした。
あららら、、、、と笑い話で終わったが、くれぐれもお遍路さんご注意を!



        🐇     子遍路が母におねだりニッキ水     葉

        🐇     遍路路に沿ふ溜池や通し鴨     葉


        🍒     今は昔泉に駒を繋ぐ石

        🍒     一里塚蓮の葉翻へす風よ


            
コメント
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