今日の読売新聞の「四季」から。
最近私にも贈られてきた句集の中の一句が掲載されていた。
師が句集に書いている帯封の言葉
「誰も 自分の死を知らない。見えざる死と闘った俳句がここにある」 櫂
昨夜もページを繰った。
俳句の王道をゆく句より、私には明日は入院、病室での思い、退院の喜び、、、そんな病に向き合っている句に感銘を受けた。
※ 六尺の子規の宇宙に春蚊出づ 洋
※ 朝顔に別れ惜しみて入院す
※ 全摘やいよいよ軽き秋の風
※ ふる里の山へ帰らん春の雪
※ 悟り得ぬ我と悟りぬ蝦蛙
余命幾日と癌を告知された。
それからも俳句に向き合い真摯に生を全うされた生き様には頭が下がる。
病床で子規さんを思い、波郷さんの心境で病室から家に帰ってゆく奥様を見送る。
※ 漱石の胃はしくしくと新酒かな
元気な人も病持ちながら柳の雪折れのような自分。明日を信じて正直に悔いを残さぬよう生きなさいと、、、座右の銘になるような遺句集である。