老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

    目高

2019-09-22 10:57:42 | 俳句

 

    

 

遍路道に、、、

「目高」を売りますの看板が。

庭が広く、その奧の屋根のついた駐車場みたいな所に目高の泳ぐ水槽が並んでいる。

 

      

 

懐かしい。目高は私が子供の頃は田んぼの傍を流れる小川にはたくさん泳いでいた。童謡の「メダカの学校」そのものの光景が眼前に広がっていた。

目高の異名も多く、2000種とも、3000種類ともあるそうな。

平成1年にか環境省より絶滅危惧種に指定された。地球の環境の悪化が目高の世界まで及んでいる。

 

     ☆     振りし手の影に仰天目高散る     波出石品女

 

子供の頃に小川に泳ぐ目高をしゃがんで見ていた。立ち上がろうとして目高を驚かせたのか一斉に目高がちりぢりになる景を想いだした。

 

     

 

眼を転ずると川を挟んだ向う岸に、目高の水槽とおぼしき青い箱が並んでいる。それなりに目高を愛する人々の需用が多くあるのだろうな。

 

      ☆    目高飼ふベッドの母の目の高さ    南 恵子

 

想いだした。この家は茶の花の垣をめぐらした私の記憶の中では一番に心の残っている家だ。

庭をながめながら濡れ縁に座ったお婆さんが日向ぼこをしていた。道を通るお遍路さんごとに声をかけて「お気をつけなさって」、、と言っていた。


      

 

今は実をつけた茶の花垣が少しだけ残っている。花の時季にはそれなりに咲くであろう小さくて可憐なお茶の花が、そしてあの頃に戻れることができたらなぞと、出来もしない希を。なんてこっちゃ!

 

      🐠     千金の願ひ母ゐる日向ぼこ      

      🐠     昼の鳩竹伐る音のとだえたる

      🐠     水槽を天上天下目高かな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント
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