老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

電車の中で

2017-04-19 23:11:54 | 俳句
ホームで電車を待つ。
風が強く、そのことから何気なく同年齢の二人と言葉を交わす。
電車に乗り込んでからも、世間話をしていた。
路線の電車は対面式の座席である。
私が、座ると海が見えるからいつもこちらの席と云うと、並んで座った他の人もそうそう、そうなのよ と笑いあった。
窓にブラインドが下りていたから、もう朝日が射さないからブラインドを上げましょうと向かいの窓のブラインドを上げた。

桜はもう散りましたね~。
あら、ライラックが咲いている。
牡蠣の筏が見えると、もう牡蠣のシーズンも終わりましたね~。
走る電車の窓から見える景色をとりとめもなく話していた。

次の次の駅から乗って来た娘さんが、乗るなり、自分座った窓辺のブランド、私達の座っている窓辺のブラインド、すべて下ろしてしまった。
電車の中が暗く?なった。それは無いが私達三人は急に黙りこんでしまった。

娘さんはやおら大きな袋から化粧道具が入っているらしい小さなバックを出す。
一番にハガキ大の鏡を出して、顔を覗きこんでいる。
見ていた私と視線が合う。
目力がある大きい目でにらみつけられた。
急いで視線を外し、持っていた、本を出して読む、、、、が彼女のことに興味がわいて、本を読むふりをして、ちらちらと観察をする。

きれいにお顔が仕上がってゆく。
眉の色は、いまどきはこんなのが流行っているの。
最初に茶で描いてその上から赤を重ねる。歌舞伎役者の?隈取のような色。
じっと見ていたのに気づかれたのか ひと睨みされた。怖い目。
目に集中をして美しくやっているようである。
目バリ(アイライン)を描き次は小さな箱から つけ睫毛を出してしっかりと鏡を覗き口をゆがめて装着をしている。
怖いお顔をするけれど、目元は美しく出来上がった。笑顔になればもっとチャーミングなのになぞと思いつつ、身に着けているものを観察する。
黒い エナメル の靴。
黒いスパッツ。
白いブラウス。
模造の真珠の長い首飾り。

     

彼女の白い木綿のブラウスは 私が先日縫い上げたブラウスと同じような型。
今年の流行かしら?、襟を立てて着ている。

可笑しくなった。

電車が降りる駅に。
お二人に挨拶をして降りようとすると、一方も同じ駅で降りた。
行く先は同じ病院であった。

睨まれたけれど、今日のブログの ネタ を有難う娘さん。
お化粧をするのは、ブラインドを下ろしたほうがきれいにできるのかしらね~?光の加減もいるのだな~。
でも みっともないとしか云えない。お行儀の悪いこと。


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れんげ草

2017-04-18 18:29:06 | 俳句
  

子供の頃はいたる所に咲いていた れんげ草を最近は見かけなくなった。
れんげ、たんぽぽ、土筆、子供だと誰でも知っていた。

最近の子供は、れんげを見て、即座にこの花 「れんげ」と答えることできるのかな~。

畑がうす紫に染まっている。
れんげかと思って近づくと、畑一面にれんげにとって代わって仏の座が咲いている。
れんげと仏の座は全く同じ色をしている。

れんげ草の事を思っていたら、今日は偶然に駅を降りて裏道を家に帰る畔道で3~40本群れて咲いているのを見つけた。
誰も注意を払わずに通る。私だけだ。写真に収めているのは。

チューリップやパンジーは花屋さんで売っている。
公園に行けば、色とりどりに目立つような花壇を作っている。
れんげ草を、わざわざ花壇にしつらえている公園はないだろうな~。
田舎育ちの私は、こよなくれんげ草を愛し、見つけて薀蓄をかたむけている。
子供さん、れんげ草見たことあるかな~?
可愛い花です。花の首飾りを作って、大人になった時、この花を想い出すと間違いなく優しくなれるよ。

今日は草臥れた。
駅から家まで歩くと20分。
畔道を抜けて国道沿いの喫茶店で一休みをして帰る。
明日は夫の心臓手術について医師と話合いをする。
れんげ草で心の草臥れは取れたけれど、身体の疲労は取れない。
貧乏でも退屈でもいい。普通の生活に早く戻りたい。
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また入院

2017-04-17 19:41:43 | 俳句
  

駅を降りて、雨の中を帰る。
よほどタクシーに乗ろうと思ったのだけれど、私が私に聞くと(今日はだいじょうぶ)と答が返ってきた。
途中の並木道に ハナミズキ が咲いていた。
雨にぬれていきいきとしている。
花の効用は知っているつもりだけれど、今日の ハナミズキ のきれいだこと。疲れが吹っ飛んだ。

      

いつものように病院は混んでいる。
正面から正視をはばかるような患者さんもいる。
その人がまだ若い娘さんだとしたら、本人はむろん親御さんのことを思うとほんとうに悲しくなる。
大きな病院ではいつもいつもそんな方々にお会いする。
世の中は不公平だと思う。

      

病室へ案内をされる。
前の時の隣の部屋。
今日は今年二回目の濃霧で視界は500メートルとラジオが告げていた。
窓から見える海も屋島もけぶっているようだ。

夫は10日前に急に苦しくなり。救急車で深夜に運こばれた。

そして今日の入院。
私が三月に入院をやり、今度は夫。
入院慣れをするのもいかがなものか?

愚痴は言わないが費用だって馬鹿にならない。
好きな旅行の費用が昔から入院費用、そう医者代に我が家は消えているのだ。

夫は今日は明日にそなえての検査だけ。
病院の図書室へ時間つぶしに本を見に。

本棚に「とくとく歌仙」があった。
丸谷才一、大岡信、井上ひさし、皆さん鬼籍に入った方々が巻いた歌仙である。
「とくとく歌仙」は何刊か出版されている。私は読んでいない部だった。
病院の図書室に、、、が少し不思議であった。
昨今の歌仙ブーム、軽い読み物ばかりではなくこんなジャンルの本もちゃんと置いてあるのだ。
有難く病室へ貸し出してもらった。

今日は春の嵐。午後から夜にかけて風雨が激しくなるから、夫が早く家に帰れと言う。
又、明日と病院を後に。
電車の中で、スマホ を覗く。
ネット句会で、まままあ~三句出しの三句が選をされている。
全没が三回、続いていた。心眼で見えぬものを詠めと、いつも言われている。
今回は少し、選が甘かったのかな。
あきらめが先に立っていたから、三句選をされたことは嬉しい。
夫が明日はどうなる身やも知れぬのに美味しいものを食べに、花見にと近くへとドライブに入院が決まっていても行った、遊んだ。
その時に詠んだ句が実を結んだ。
杉菜、虎杖、酸葉の赤い芽。
子供のころ親しんだ野の草を詠んだ。
思いがけなかった。

それで、帰りの電車も駅を降りてからも疲れが少なかったのだろう。
明日は、やはり心配である。

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はっきり言って 怖い

2017-04-16 09:53:44 | 俳句
    

北の狼少年の頭の中はどうなっているの?
アメリカや他の大国が「核」を持って自分の国が持っていけない道理はないと思うのは解る。
でもさ、あのちっぽけな国が「核」で世界を騒がしたって特策ではないとなぜ気がまわらないのか?
マンガチックな幼い頭で政治を考え、暴発をやらかさないかマジで怖い。

    

歩きに、ダム湖へ行った。
温泉施設が渓を渡して鯉のぼりを泳がせていた。
新緑の山と山をつないで数十匹の鯉のぼりが泳いでいるのが遠くからも見える。

道すがら飛び落花が綺麗だ。
一度 地に落ちた花が渦を巻きながら上へ下へと、それは綺麗だった。
花びらがキラキラと光を帯びる。その中から蝶々が一頭 舞い出た。一枚の花びらが変身をしたかのようであった。

     


散った桜が小流れを堰いたり、筏を作って流れて行く。

     

ダム湖で少年が釣を。
波と風で打ち寄せられた落花がところどころ、湖を隈取っている。

小一時間歩いて身体をほぐした。
毎日、毎日新しい花との出合い。
頭の中は連歌と俳句の締め切りでもやもやとしているけれど、次への俳句のステップとなる材料をたくさん拾った。



「しりとり俳句コーナー」

     ★    遠嶺に雪置く里の桜かな

     ★    花は葉に名刺受置く能舞台

     ★    一輪草このごろ涙もろくなる
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杉菜

2017-04-15 14:11:34 | 俳句
   
   

海岸をドライブをしていて、浜へ降りる道があったので散策に、、、。
杉菜が沢山生えている場所を通りかかった。
杉菜をしみじみと見るのは何年ぶりかしら。
昔は土筆や杉菜は同じ湿地帯に沢山生えていて、親しい春の草であった。
土筆と杉菜は同じ仲間というより茎によって呼び名が違っている。
胞子、栄養茎で区別されている。
       
傍には たんぽぽ、酸葉などもあってそれは懐かしい光景であった。
遠くに海が光っている。

平和な日本。
朝鮮半島がきな臭くなっている。
トランプも北のデブっちょさんも双方とも
「お山の大将、北のデブちょさんはその上に裸の大将」ときている。
何事もおこらなければよいのだけれど、、、、、
サイレンが日本全国に鳴りひびかないとも限らない。
桜見物どころではなくなる。

       

道を行くと、桜の木の下に虎杖も生えている。
大きく伸びてもう長けている。
急な斜面に生えている。下から手を伸ばせば手折ることも出来そうだけれど、今に近所の散歩道でも沢山採ることができる。

海辺の集落の古老が話しかけてくれる。

浜に向かってもう少し下ってゆくと 「わらびがあるよ」と教えてくれる。
「おじさん、この辺りは景色が良くて いい所ですね」と云うと
「皆さん そう云ってくれるけど、いい事ばっかりじゃないよ。不便な事もあるんよ」
と、少し おしゃべりをする。
「今日は南瓜と西瓜を植えている。お小遣いが野菜の苗代に消えてしまうんよ。楽しみで作って、大方は人様をよろこばしてんよ」
のんびいと平和な海辺の古老との出会いであった。

      

バンガロー並んで建っている。
地引網漁に参加をしたり、カヤックで近くの島を巡ることが出来るらしく、春、夏の休みには子供達には楽しい土地らしい。


「しりとり俳句コーナー」

    ⛅    仔猫かばひどら声あげる野良猫ぞ

    ⛅    あたたかやジャックと豆の木読み聞かす
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