老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

    杜若

2019-06-11 15:31:09 | 俳句

   

   (平安神宮の杜若の池)

 

杜若と菖蒲の区別がなかなかつかない。

パソコンで調べている時は、写真を比べて花の違いも解ったと納得をするが、いつか忘れてしまう。

 
尾形光琳の「燕子花図屏風」に描かれている水辺の花。剣のような葉と紫の花で一目でこ の花と分かる。「燕子花」字は花の姿が燕の姿を思わせるところから。この花の汁を布に こすり付けて染料にしたことから「書付花」といわれ、それが転じ「かきつばた」とな ったとされる。
「季語歳 より」 と季語歳には。
 
   
      ☆    実盛が草摺(くさずり)ゆかし杜若     櫂
 
 
KOSI以外で勉強をしている人は、師の句を読んでも、なんだこんな句か?と一言でかたずけてしまう人が多いのではないか、、と思う。 この結社に、先入観無しで入会した私も、最初の3~4年は戸惑ったものだ。
5年たち6年たって、ずいぶんと勉強をしてきた結果、師と同じ句を詠む姿勢になると、なんと難しいのだろうと思うようになった。 基本的には17文字で子供にも理解ができて、氷山のように水に隠れた8割を浮かんでいる2割で詠めというのだから。

 
杜若の句を理解するには、少し勉強が必要であった。実盛。草摺。杜若の関係、関連性。謡曲が登場をし、連歌の世界も。
 
浅い知識では解釈しきれない句である。
 
 
       ☆     杜若我に発句の思ひあり     芭蕉
 
       ☆     杜若語るも旅のひとつかな    芭蕉
 
       ☆     有難き姿拝まん杜若     芭蕉
 
芭蕉の三句。謡曲の実盛を見据えて詠んでいる。
なぜか、難しい季語との出合い。師の他の句を平明で易しい句の表現から、なんだこんな句と思っていれば、大間違いだと、師の詩に対する姿勢に感銘をした、「杜若」 の句だった。
 
 
 
      🎐    杜若の辺に一期一会なる
 

 

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    穴子

2019-06-10 11:02:30 | 俳句

   

 

明石大橋を渡って、淡路島を走行中。夕日が没する瞬間の写真が家に帰って見ているとあった。

車の中からの偶然の写真。

自分でも驚くほど綺麗な色だ。

 

      

 

明石海峡を渡る巨船。

いつも阪神に行くと、帰りは夕焼けの明石海峡を渡る。淡路島も真ん中辺りに来ると。日はとっぷり暮れている。

 

 

今日はこじつけも、こじつけ。

< 穴子は鰻に似た魚である。味ははるか淡泊。兵庫県の明石では竹串で刺して白焼きや蒲焼にする。

錦市場で穴子寿司と鯖寿司を食べた。まことに美味しかった。冷たいビールは何年ぶりか?(いつもノンアルコール)当分、忘れられぬ味だ。

 

       ☆     穴子裂く大吟醸は冷やしあり    櫂

 

       ☆     押し返す命のちから穴子裂く   ゆき

 

師と側近の弟子の二句。

こんな句を読んでいると、この臨場感、写生、勉強になる。

 

      🎐     連絡船待ちつ賞味の穴子丼

 

小豆島の福田港で食べた穴子丼も忘れられぬ。

 

 

 

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     蛸

2019-06-09 12:22:19 | 俳句

     

 

昨日は京都散策。 錦市場で見たこの蛸たち。

外国からのお客さんが、この蛸を口にほほばりながら市場を散策している。 日本のお客よりはるかに、外国の方が多い。

 

     ☆     蛸の足八本がみなもの思ふ     櫂

 

そうです。蛸の足は八本です。足の吸盤は何かを求めて宙をさまよう。くねくねと必死に八本が思い思いの方向に、、、、一本の吸盤の意志の伝わりで一匹の蛸が口を尖がらかせて這ってゆく事も。

 

         

 

       🐢     纏のごと串に飯蛸回しけり

 

飯蛸を串に挿して、おでんに煮る香川の郷土料理。この蛸のように頭は真ん丸でも無い。こんなに綺麗な赤色もしていない。しかし、親しみを込めて写真に残した。

 

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  今年竹

2019-06-07 15:58:38 | 俳句

    

 

徳島市の名刹、瑞巌寺の今年竹。

国道から少ししか入っていないのに、静かに名刹は来るものを拒まず建っている。

山門を潜ると、街騒は消え、一気に汗が引く。

 

      ☆     高きよりこの世へ影し今年竹    櫂

 

今年の夏、伸びたばかりの新しい竹。若竹とも言い瑞々葉を空に向かって広げて行く。竹の若葉とも。

 

      ☆     ある高さまでは一気に今年竹     片山由美子

 

 

饒舌なブログを反省。竹のように真っ直ぐ余分な事は書かない努力を。

 

      🎐     若竹のさやぎ街騒かき消しぬ

 

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    ヨット

2019-06-06 16:50:11 | 俳句

     

 

暑い。

毎日の挨拶が暑いですねで、はじまる日々がきた。

涼しい俳句を! ここは四国の「最北端」の岬から見える、庵治町の沖にヨットが。かなり早い速度で島を過ぎって行った。

 

     ☆     日に灼けていよいよ白きヨットかな    櫂

 

     ☆     沖に出て揺るるヨットの静かさよ    櫂 

 

湘南に住む師もヨットを楽しんでいるようだ。夏本番、ヨットのレースに臨む事もあらかしら。

ヨットはいつも、海と波と格闘をしているであろうが、物音の無い静けさの海を遠くからみるばかり。 

 

     ☆     求婚の返事来る日をヨット馳す    池田幸利

 

石原裕次郎の世界になった。じっとしていられなくて、ヨットを繰る。風の音、波の音、つかのまの期待と不安のない交ぜの心。大きな自然の懐に身をゆだねるしかない。

 

 

     ✈     軒昂に昭和の吾ら蛍狩る

友人から誘われて 蛍狩りに行くことになった。皆、平成の昔の昭和に生まれ想い出話に花を咲かせつ、蛍を見にゆく意見がすぐにまとまった。

 

   

 

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