Blog~続・トイレの雑記帳

鉄道画像メインの「ゆる鉄写真ブログ」のつもりでしたが、
政治社会の事共について記したくなり、現在に至ります。

GPS捜査問題雑考

2017-03-19 13:54:29 | 国際・政治

2017=平成29年3月も、彼岸の時季に入り、確かな春の風情と共に、昼夜の温度差が大きくなった。季節の節目は、風邪を初め、感染症に見舞われ易い。毎春問題になる花粉症もその一つだろう。各位ご多忙は分るが、改めて健康安全には留意したい所であります。

本題に入る。先日、最高裁判所より、全地球測位システムGPSを用いた、捜査令状によらない任意捜査が刑事訴訟法違反に当たるとの初判断が示された。この上級審では、GPS捜査に関する新立法の必要も指摘され、この法制化までは、GPS任意捜査が事実上不可能となる事態に至った。今回は、この問題を、某ネット記事を引用しながら見て参りたく思う。

「GPS捜査 裁判所の令状なしは違法・・・最高裁判所が初判断」

警察による捜査対象者の車両などに全地球測位システムGPS端末を取り付けて居場所を把握する捜査の違法性が争われた刑事裁判の上告審判決で、最高裁大法廷は15日、GPS捜査は強制捜査に該当、裁判所令状を取得せず行った警察の同捜査は刑事訴訟法違反との初判断を示した。警察の捜査手法の違法認定は異例。

全裁判官15名で構成の大法廷は、法律上重大な問題や、違憲の有無を審理するが、今回は憲法判断は示さなかった。

上告審での被告弁護側主張。GPS捜査は個人秘密プライバシー侵害の危険を必ず伴い、令状が必要な強制捜査に該当。捜査と無関係な位置情報も蓄積され、現行の検証令状を取得した場合も許されずとし、警察の捜査は、憲法規定の令状主義、適正手続の保障を無視しており、厳格な用件を課す立法が必要とした。

同じく検察側主張。公道などを行く車両が対象で、プライバシー保護の必要性は高いとは言えず、任意捜査に該当。検証令状を取得して実施の前例もあり、現行法対応が可能。違憲の疑いや、憲法解釈の誤りも存在せずとした。

今回の最高裁大法廷の審理は、複数回の事務所荒らしのかどで、窃盗罪に問われた大阪府 40代男性被告の公判。大阪府警は2013=平成25年5~12月、同被告と共犯の、二輪を含む車両複数にGPS端末を取り付け、位置情報を取得。大法廷は、この捜査を違法とする一方で、捜査で得られた証拠を除いても被告有罪は動かじとして、懲役5年6月とした1,2審判決を支持、被告弁護側上告が棄却され確定した。(引用ここまで)

この判決に思うのは、警察側の、捜査手法に関しての、法制面のガードが甘かった事だ。確かに非令状によるGPS使用は、犯罪容疑者と言えど、基本的人権に抵触するリスク(但し「侵害」と騒がれる程のレベルでないのも事実)を伴うのは事実で、欧州の一部の国々で採用されている様な、GPS捜査に関する立法に早くから取り組む必要があったのではないか。警察内部の運用指針はあった様だが、明らかな法制化がされていなければ、それは国民的得心が得られるものではあるまいて。この辺りの問題について、警察と立法を担う国会で、果たして十分な意思疎通があったのか?非公開でもできる事は多々あったはずだし、これからもそうだろう。立法の国会、警察分野も関わる行政双方の怠慢を、指摘せざるを得ない気もして来る所だ。

被告弁護側も、完勝とは到底言えないのではないか。審理自体の有罪は覆らなかったし、本当は(どうせ無理は分っているのだが)GPS捜査そのものの違憲性を、この所の勝訴で強調したかったのだろうが、最高裁大法廷は、違憲性までもは認めなかった。その上で、GPS捜査関連法整備を求めたのは、将来へ向けては、厳格な要件ながらも同捜査が合憲である場合も有り得るとの含みを持たせる意味もあろう。

今回審理は窃盗犯であり、捜査手法についての弁護側反論も十分に認められるものであったが、もしこれが、外国人や国内極左勢力とかによるテロ行動だったら、状況は様変わりしていた可能性がある。今回のGPS捜査のあり様を違法とした大法廷判断に、被告弁護側は「満額回答」などと狂喜した由だが、近い将来、その笑顔が一転凍りつく事態に陥らないと言う保障は、どこにもない。

折しも、数次に亘る審議の末廃案を繰り返した、所謂共謀罪規定が近く閣議決定の運びとなったが、GPS捜査関連の立法も、並行して審議を願いたいものだ。組織犯罪は、件数自体は減るか横ばいかも知れないが、その手口は格段に巧妙化し、逃走手法も海外を含め、追跡が困難の度を増している様だ。前出の法制は、あくまでも中立公正と、被害者の立場に立った、不正を許さぬ厳しいそれでなければならない。その成立まで、警察各位は、GPS不在でも事件解決を図れる技の研鑽をお願いしたいものだ。今回画像は、岐阜・滋賀両県境辺りで見かけた、東海道・山陽新幹線上下列車の邂逅の様子。何を隠そう、戦国の大舞台 関ヶ原の古戦場の辺り。行き交う新幹線列車も、心なしか、凛とした雰囲気だったのを覚えておりまして。

コメント (2)
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