はなこのアンテナ@無知の知

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米大統領選を巡る話で不思議なこと

2008年11月13日 | はなこのMEMO
先の米大統領選では、共和党候補のジョン・マケイン上院議員が大統領に選出ならば「米国史上最年長大統領」、民主党候補選出の段階で、ヒラリー・クリントン上院議員ならば米国史上「初の女性大統領」、バラク・オバマ氏なら「初の黒人大統領」となると取り沙汰された。

ここで、(特に米国以外の)少なからぬ人々が疑問に思ったと思うが、「最年長」や「女性」なら医学的に明確に規定できるが、果たして「黒人、人種」はどうなんだろうと、私自身も思った。オバマ氏を人種的に「黒人」と規定しているけれど、彼はケニア人(黒人)の父と米国人(白人)の間に生まれている。確かに肌の色は浅黒いけれど、彼の体には所謂「白人」の母の血も半分流れている。それでも「黒人」に種別されるのだろうか?そもそも「人種」とは何なのだろう?と思った。

手短にネットで調べてみても、「人種」は科学的に明確に規定できるものではなく、帝国主義国家が恣意的に、自らの立場を優位に保つ為、差別を助長する手段のひとつとして、その概念を用いてきた歴史的背景があるようだ。卑近な例で恐縮だけれど、昔勤めていた職場に米留帰りの人がいて、その人も「黒人って言っても、米国にいる黒人は長い年月の間に他人種との混血化が進んでいて、純粋なネグロイドなんて殆どいないんだよ」と話していたのを覚えている。

「人種のるつぼ」から「サラダボウル」になったと聞いている米国で、「オバマ氏が大統領に選出されることに反感を持つ(少数だとは思うが)白人の存在」や、「暗殺を危惧する声が絶えない」等、今さらのように「人種」問題が取り沙汰されることに、「合衆国」の難しさを感じてしまう。だからこそ、オバマ氏も勝利演説で「United」を声高に叫んでいたのだろう。

刷り込まれた差別意識はなかなか拭えないものなのか?特に自分自身が経済的に困窮していたり、社会的地位が低いなどの理由で、心に不満を抱えている場合、その不満のはけ口として、他人種(←これは「他民族」と置き換えても成立する話かも)の活躍を妬む傾向は強いようだ。

【参考サイト】

『人種とは』(はてなキーワード)
『人種』(ウィキペディア)

☆現実の先を行くフィクションの世界での黒人大統領の活躍が、人々の抵抗感を和らげたのか?
『黒人大統領に抵抗がないのは…ハリウッドのおかげ?(ハリウッド直送便)』

☆興味深い、カナダのケベック在住のばーばさんのブログ記事。「変革への期待が大きいだけに、それがうまく行かなかった時の落胆の大きさを懸念する」という指摘が、印象的。
『一夜明けて』(ばーばのケベック日記)
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