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はなこのアンテナ@無知の知

たびたび映画、ときどき美術館、たまに旅行の私的記録

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2009年09月08日 | はなこのMEMO
もう1カ月前のことになるだろうか。自宅近くの大型スーパーマーケットで、夫のクールビズ仕様のスラックスを買った。

日曜の夕方、店内は閑散としていた。パートの女性店員の姿は殆どなく、男性正社員と思しき中年男性の姿が目立つ。曜日・時間帯によるものなのか、或いは不況で人件費のコストダウンを図る為なのか、内勤社員が店頭に駆り出されているように見えた。

8月上旬だと言うのに、もうセールの幟が立っている。元々近くの和食店に食事に来て、スーパーマーケットにはその帰りに立ち寄っただけなのだが、セールの言葉に食指が動いた。

陳列商品を眺めていると、同じメーカーの製品でセール対象になっているものと、そうでないものがあるのに気づいた。元々の販売価格は同じようである。しかし一方は半額になっている。どうしてだろう?品質の違いだろうか?素材(初夏仕様、真夏仕様なんて違いがあるのかと思ったり…)の違いだろうか?近くにいた男性店員におそるおそる聞いてみた。

「同じメーカーで、販売価格も元々同じなのに、どうして一部だけセール価格になったのですか?」すると意外なほど簡単に、そのカラクリについて教えてくれた。
「安くなったのは手前どもの『買い取り品』で、価格が変わらないのはメーカーからの『(販売)委託品』なのです。」
「品質に違いはないのですか?」と食い下がる私に「ありません。材質には多少違いがありますが」との答え。

どうやら、『買い取り品』はスーパーマーケットが買い取る代わりに安く仕入れることができ、価格操作で最後は売り切るが、『委託品』はスーパー側で価格操作はできない代わりに、売れ残りはメーカーへ返品できるようだ。同じ出自で、同じように店頭に並んでいるのに、扱いに違いがあることを初めて知った。これは一般の消費者にとっても常識の範疇なのだろうか?

一方、セール品には、最初からセール用に作られた粗悪品(品質が落ちる)もあると聞く。消費者は正規品が”シーズン落ち”でセール価格になったのか、元々セール仕様の品なのかの見極めが大切なようだ。

とまれ、夫が買ったスラックスの価格では、おそらく生地代にもならないだろう。こちらとしてはお買い得だったが、あまりの安さに何だか作り手に申し訳ない気がした。

日本経済全体が健全な形で回復するには、本当は商品が何でも際限なく安くなることは憂うべき事態で、作り手が物作りの喜びを感じられるような”適正な価格”と言うものが存在するような気がしてならない。消費者が低価格を要求するあまり、それに応えるべくコストダウンに汲々とする日本の物作り産業が、どんどん活力を削がれて行くようで心配だ。

内外価格差が大きすぎるのも問題だが、原価ギリギリ、或いは割るような価格を、消費者が求めるのは間違っているような気がする。「商品の安全性」や「日本経済の安定性」や「将来への安心感」と言ったものを、「お金で買う」と言う感覚があっても良いと思う。
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