私は一度見たことのある映画なら、ワンシーンを見ただけで、そのタイトルを言い当てることが出来る。さしずめ、昔あった「ウルトラ・イントロ・クイズ」の映画版だろうか。もちろん、イントロシーンに限らず、途中のどんな些細なシーンでも言い当てる。一端の映画ファンなら、そんなこと朝飯前だと思うのだが、映画を見ても翌日にはその内容を忘れてしまう夫は「特殊能力」だと言う。しかも、「ちっとも金にならない特殊能力だ」と。
また、過去に人が発した言葉も、本人が忘れていることさえ何十年も覚えていたりする。それで相手に「昔、こんなこと言ったよね」と言って、ギョッとされることはあっても感謝されることも、感心されることもない。これもまた、夫に「ちっとも金にならないね」と言われる。
先日の「開運なんでも鑑定団」に、中東駐在時に顔見知りだった男性が出演していた。顔見知りと言っても、あちらは大手商社の支店長であり、大使館かどこかのパーティで一言二言言葉を交わしただけの相手である。それでも名前と顔を覚えていて、テレビにその人が映し出された瞬間、20数年前に同じ時期に中東に駐在していた人だと判った。
夫に「○○さんが『なんでも鑑定団』に出演しているよ!」と声をかけたが、夫はその人の名前を見ても、顔を見ても、サッパリ思い出せないらしい。あまりにも普段から他人に無関心な夫(何しろ都会にいながら、山中の孤高の仙人のような境地の人なので)だから思い出せないだけなのかもしれないが、私はその人と同時に、今回テレビには映っていない個性的なその人の奥様のことも思い出していた。
「この人はこうこう、こういう人だったよ」と特徴を述べても、一向に思い出せない夫。少しもどかしい。こんな調子で、いざという時、大事なことも思い出せなかったら困るな。
他の特殊能力としては、たまに霊感や直感が冴えることがあり、一時期、何気なく撮った写真に、この世のものではないものが映り込むことが続いたり、ある特定の場所に行くと気分が悪くなったり、頭にやたらと思い浮かぶ人物と、思いがけない時に思いがけない場所で再会したり、その人から電話がかかって来たり、手紙が届いたりするので、その度に(夫には「最近、○○さんのことがやたら気になるんだよね」と話したりしているので)、夫に気味悪がられている。
しかし、こと息子に関しては、特殊能力とは無縁なイメージの夫も、テレパシーもどきの能力を発揮するのである。夕ご飯のこともあるので、帰る時にはメールをするようにと、普段から息子に口酸っぱく言っているのだが、息子からの連絡が遅いときなど、夫が「○○からの連絡がない。一体、どこで何をしているんだ」と言った次の瞬間、息子からかなり高い確率でメールが来る。もちろん、メールが来る時刻に規則性はない。ほぼ100%に近い確率でそうなので、夫と息子はテレパシーで通じ合っているのではないかと私は思っている。
息子は親の心子知らずで、何かと小言の多い夫を煙たがっている面も否めないのだが、それだけ夫は息子への関心が高く、息子への愛情も母親の私より、もしかしたら深いのかもしれない。息子の為なら自分の命もあっさり投げ出しかねない勢いだ。夫の息子を心配する気持ちが強い念となって、息子からの信号をキャッチしているのだろうか。
また、過去に人が発した言葉も、本人が忘れていることさえ何十年も覚えていたりする。それで相手に「昔、こんなこと言ったよね」と言って、ギョッとされることはあっても感謝されることも、感心されることもない。これもまた、夫に「ちっとも金にならないね」と言われる。
先日の「開運なんでも鑑定団」に、中東駐在時に顔見知りだった男性が出演していた。顔見知りと言っても、あちらは大手商社の支店長であり、大使館かどこかのパーティで一言二言言葉を交わしただけの相手である。それでも名前と顔を覚えていて、テレビにその人が映し出された瞬間、20数年前に同じ時期に中東に駐在していた人だと判った。
夫に「○○さんが『なんでも鑑定団』に出演しているよ!」と声をかけたが、夫はその人の名前を見ても、顔を見ても、サッパリ思い出せないらしい。あまりにも普段から他人に無関心な夫(何しろ都会にいながら、山中の孤高の仙人のような境地の人なので)だから思い出せないだけなのかもしれないが、私はその人と同時に、今回テレビには映っていない個性的なその人の奥様のことも思い出していた。
「この人はこうこう、こういう人だったよ」と特徴を述べても、一向に思い出せない夫。少しもどかしい。こんな調子で、いざという時、大事なことも思い出せなかったら困るな。
他の特殊能力としては、たまに霊感や直感が冴えることがあり、一時期、何気なく撮った写真に、この世のものではないものが映り込むことが続いたり、ある特定の場所に行くと気分が悪くなったり、頭にやたらと思い浮かぶ人物と、思いがけない時に思いがけない場所で再会したり、その人から電話がかかって来たり、手紙が届いたりするので、その度に(夫には「最近、○○さんのことがやたら気になるんだよね」と話したりしているので)、夫に気味悪がられている。
しかし、こと息子に関しては、特殊能力とは無縁なイメージの夫も、テレパシーもどきの能力を発揮するのである。夕ご飯のこともあるので、帰る時にはメールをするようにと、普段から息子に口酸っぱく言っているのだが、息子からの連絡が遅いときなど、夫が「○○からの連絡がない。一体、どこで何をしているんだ」と言った次の瞬間、息子からかなり高い確率でメールが来る。もちろん、メールが来る時刻に規則性はない。ほぼ100%に近い確率でそうなので、夫と息子はテレパシーで通じ合っているのではないかと私は思っている。
息子は親の心子知らずで、何かと小言の多い夫を煙たがっている面も否めないのだが、それだけ夫は息子への関心が高く、息子への愛情も母親の私より、もしかしたら深いのかもしれない。息子の為なら自分の命もあっさり投げ出しかねない勢いだ。夫の息子を心配する気持ちが強い念となって、息子からの信号をキャッチしているのだろうか。