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はなこのアンテナ@無知の知

たびたび映画、ときどき美術館、たまに旅行の私的記録

やっぱり凄いよ、八代亜紀、石川さゆり

2008年10月15日 | はなこ的考察―良いこと探し
全体的に芳しくない番組改編期の特番で、意外な拾いものと言えば、懐メロ番組。テレビ東京は懐かしのVTR映像の他に往年の人気歌手を登場させた。その中にもうとっくに70を過ぎたかと思われる男性歌手がおり、テレビの歌番組でもご無沙汰なのでまともに歌えるのかと危ぶんでいたが、案の定、過去の栄光を台無しにするような歌唱。無理に出演させる意味はあったのかなあ…

殆ど懐かしい顔ぶれの中に、なぜか八代亜紀の姿も。最近は演歌歌手が出演できる民放の歌番組が少ないだけに、お呼びがかかればどんな番組にも顔を出すのだろう。さすがに現役バリバリだから他の出演者とはオーラが違う。もちろん歌唱はバツグン。失恋歌でも、サビの部分で思いっきり笑顔。歌えることが嬉しくてしょうがないという満面の笑顔。

実はナマ八代亜紀を2年ほど前に間近で見た。地元のデパートで彼女の絵画の個展が開催されたのだ。彼女はフランスのル・サロンに5年連続入選を果たし、日本の芸能人では唯一正会員に推挙された実力の持ち主。ル・サロン入選作品を何点か見たが、確かに筆さばきは見事。趣味の域は超えている(個人的に好きか否かはまた別の話)。さて、1mほどの距離から見た彼女は、テレビ画面を通して抱いていたイメージより小柄で、顔立ちのハッキリとしたなかなかの美人だった。終始ニコニコして、営業スマイルと言うより元々愛嬌のある人なんだろう。人相が良く好印象。

その八代亜紀の歌では『舟唄』が絶品。彼女初の男唄らしいが、彼女独特のハスキーボイスで軽妙な歌い出しから、途中しみじみとした歌唱に転調し、クライマックスは声を振り絞るような絶唱。ものの数分間に見事な世界観を創り上げ、聴き手は我を忘れてその中に没入する。その恍惚感たるや、至福の境地と言える。歌の良し悪し、歌手の歌唱力にジャンルは関係ない。良いものは良い。上手い人は上手い。同様に、石川さゆりの『天城越え』にも鳥肌が立つ。CDで聴くより、テレビ画面で歌唱する姿を見ながらの方が心を揺さぶられるので、やはり歌い手の表情や仕草もひっくるめての魅力なのだろう。まさに全身全霊を捧げた歌唱に心は動かされるのだ。

冒頭のテレビ番組では同じ年頃の女性歌手も出演していたが、現役バリバリで歌い込んでいる八代亜紀には、残念ながら、その歌唱力も全身から放たれるオーラも到底及ばない。今もなお八代亜紀には”華”がある。歌う喜びに満たされたその歌唱には、幸福感が満ちあふれている。

You tubeで二人の熱唱が見られる。
 
舟唄(歌詞付)
舟唄(フルバージョン)
天城越え

そう言えば、私は石川さゆりにも遭遇している。福岡で結婚式を終え、新婚旅行へ出発するという日に福岡空港で、化粧っ気なしの顔にメガネをかけた普段着姿の石川さゆりとすれ違ったのだ。思わず「石川さゆりさんですか?」と声をかけたら、はにかんだ様子で「そうです」と答えた彼女。当時、既に30歳位で人妻だったと思うが、かなり小柄で、まるで少女のような佇まいだった。


【ところで…】

ちあきなおみが突然音楽ファンの前から姿を消して16年になると言う。しかし懐メロで耳にする『喝采』はいまだに色褪せない。なぜか彼女がこの歌でレコード大賞を受賞した時のことを覚えている。幼心にも惹き付けられたちあきなおみの歌唱が、その歌のドラマチックな世界を鮮やかにイメージさせてくれる。

いつものように幕が開き、恋の唄うたう私に
届いた報せは、黒い縁取りがありました

あれは3年前、止めるあなた、駅に残し
動き始めた汽車に ひとり飛び乗った…


山口百恵の生みの親として知られる酒井音楽プロデューサー曰く、
生前、美空ひばりは、演歌も歌謡曲もジャズもポップスも見事に歌いこなせる
ちあきなおみを、最も脅威に感じていたらしい。

都はるみでもなく、八代亜紀でもなく、ちあきなおみ

そうなんだ…と少し驚いたが、
それは私がちあきなおみを評価出来るほど知らないからで、
あの美空ひばりの発言とあれば、なんとなく納得。

その歌唱から沸きあがるイメージの鮮やかさ、
それは、他の追随を許さない
ちあきなおみの歌唱の力だと、
人気・実力共にトップにあった美空ひばりも認めたのだろう。

You tubeでちあきなおみの歌唱する姿が見られるようです。

喝采
黄昏のビギン
星影の小径
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