Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

晩酌

2008-01-15 | 想い・雑感
晩酌などというものとは
全く縁のない人生を送ってきた

一旦飲みに出ると
そこそこ飲んでいたが
家に帰ってまで飲むということは
少なかった

ところがこの正月以来
ちょいと一杯
の日が少し増えてきた

自宅待機の日や
術後の患者さんがおられる日は飲まないが
それ以外の日は
ちょいと一杯

正月に買い込んだお酒がなくなったら
やーめよ と思っていたら
知人から1本いただいてしまい
ちょいと味見

うーん なかなか飲みやすい

ここらで止めておこう

折り合いをつける

2008-01-15 | 医療・病気・いのち
若いうちは何でもはっきりしたがる傾向があるし
なんでも白黒つけられるものだと考えがちでもある
しかし生きていくうえでなかなか「絶対」と言えることは無く
多くの出来事や問題は相対的なものであるから
論理的思考がすべて正解にたどり着くわけでないということが
年齢とともに実感として納得できてくる

癌の治療においても
癌の根治という目的をいつまでも絶対視し
理詰めでそれのみを求めていると
患者さんにとってなかなかつらい状況になることもある
医療者は患者さんの全体を見て
その方の考えを聞いて
どのように治療を行っていくか
総合的に考えていく必要がある

末期がんの方に対し
どこまでも抗がん剤を使用する愚は
避ける必要がある
そしてどこかで癌と折り合いをつけるのが大切になる
無理な治療はどこまで行っても 「無理」 なのである

知人の親が調子が悪いとのことで病院で検査を受けた
診断は末期の肺がんで
予後1ヶ月の可能性が高い
との診断であった

本人の決断は
一切のがん治療は行わず
症状の緩和のみを行う
ということであった

その後症状の波はあったが
診断後1年を過ぎて他界された
その間子供の家に逗留したり
好きな野球観戦を実現したり
という風に最後のときを楽しみつつ
子供や孫との大切な時間を過ごした

恐らく予後1ヶ月といわれたときに
抗がん剤の投与などを行えば
苦しみの中を
もっと短い時間で駆け抜けたのではないかと思う

十分治療が有効であると思われる場合まで
癌と闘うな
などと無責任なことを言うつもりはないが
進行がんの治療では
どこかでギアチェンジが必要なときが来る