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製造物責任

2021-09-05 16:49:30 | 政治

Covid-19対策に追われる一方で、オリンピックやパラリンピックを開催し、抜け目なく自らの政権維持に執念をもやした菅義偉氏(自民党総裁・日本国首相)が、コロナ対策と自民党総裁選挙を同時にこなすには膨大なエネルギーが必要だ、総裁選出馬はやめて、コロナ対策に専念したい、とみえすいた言い訳をして、自民党総裁と首班指名の道を自ら閉ざした。

菅氏の権力が蜃気楼のように消え去ると、次の首相を目指したいとして何人かの自民党議員が総裁選に出馬を表明したり、出馬の意欲をちらつかせたりした。

ご存じのように、自民党は派閥の連合体であるから、出馬したい議員は支援を求めて派閥に接近する。これまでは派閥の票数をうまくまとめた議員が総裁に選ばれてきた。自分自身の派閥を持ち合わせていなかった菅義偉氏を自民党総裁・内閣総理大臣に仕立て上げたのは、各派閥の思惑の一致である。

菅氏の前任者の日本国首相は(地球そのものではなく)地球儀を俯瞰するのが趣味だったが、後継者の菅義偉氏は構想力に欠け、弁舌に欠け、基本的に日本語のコミュニケーション能力が不足した。おかげでcovid-19対策は混乱し、日本は医療危機に陥った。

そこで、できる限り多くの失策を菅義偉氏の無能・無為無策のせいにして、同氏の政治生命を弔い、そのあとで賑々しく総裁選挙を演出したうえで衆議院選へ繰り出そうというのが、派閥連合体の自民党の策略だ。

ところで、製造物責任法は、製造物の欠陥が原因で生命、身体又は財産に損害を被った場合に、被害者が製造業者等に対して損害賠償を求めることができる、としている。

10月になるか、11月になるか不明であるが、予定されている衆議院選挙で、有権者を馬鹿にするのもほどがあると、菅義偉政権をつくった派閥連合体としての自民党に、怒ってみせる必要がある。

(2021年9月5日 花崎泰雄)

 

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