米第7艦隊の横須賀基地所属のミサイル駆逐艦ラッセンが日本時間10月27日、スプラトリー諸島の中国埋め立て現場の12カイリ内に入った。中国の領有権を認めないというデモンストレーションである。
米海軍の艦船が中国の人工島から12カイリ以内の海域に入る示威行動の計画は以前から報道されており、10月初めには、準備完了、あとはオバマ大統領の指示を待つだけ、と米海軍に近いメディアが報じていた。それを受けて、日本のメディアもスプラトリー報道をフォローし始めた。
どうなる事やら。といっても、ケネディー・フルシチョフのカリブ海対決の時ほどのびっくり感はない。スプラトリーをめぐる米中の押し問答は、徐々に徐々にレベルを上げて来た。
したがって、緊張の高まりが緩慢に進んできた間に、米中は互いの打つ手を読みあって、互いの国内事情を慮って弱腰は見せず、といって、抜き差しならない事態に至る前に、ほどよい時が来れば落としどころを見つけようという、暗黙の了解の見通しも持っているだろう。
ところで、アメリカは日本の自衛隊にも現場への同行を依頼してくるのだろうか。あるいは日本が率先して同行を申し出るのだろうか。