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news commentary

師走の火遊び

2024-12-04 17:50:25 | 国際

韓国の現行憲法は、国家が非常事態に直面したとき、大統領が戒厳を宣布することができるとしている。2024年12月3日夜、ユン・ソンニョル大統領が発した非常戒厳は憲法の規定に基づいていた。

同時に憲法は国会が在籍議員の過半数の賛成で戒厳の解除を要求したときには大統領は戒厳を解除しなければならないと定めている。国会は戒厳の解除を決議、大統領は数時間後に非常戒厳を解除した。

戒厳は軍事上の必要があるとき、公共の安寧秩序を維持する必要があるときに、宣布されると憲法は定めている。それにより、令状制度,言論·出版·集会·結社の自由、政府や裁判所の権限に関し特別な措置をすることができる.

韓国の通信社・聯合ニュースが新聞の見出しを紹介していた。

<朝鮮日報>尹大統領、「非常戒厳」宣布 国会、150分後に解除
<東亜日報>尹大統領が真夜中に「非常戒厳」…国会、2時間で解除
<中央日報>尹大統領、「非常戒厳」宣布…国会で解除要求決議可決
<ハンギョレ>社説:尹大統領の戒厳令、国民に対する反逆だ
<京郷新聞>尹大統領、真夜中に「非常戒厳」宣布
<毎日経済>尹大統領、「非常戒厳」宣布…国会、即刻解除
<韓国経済>尹大統領、深夜に「非常戒厳」宣布…国会が155分後に「解除」決議

ユン大統領は何を何から守ろうとして非常戒厳を宣布したのだろうか。いまのところ納得できるような説明をした人はいない。

合衆国の次期大統領・トランプ氏がカナダのトルドー首相に、高関税を避けたければ合衆国の51番目の州になればよい、と言ったとか。カナダ側は冗談と逃げを打っているが、薄気味悪い話だ。

野党の攻勢で打つ手がなくなった韓国のユン大統領が、局面打開のために、えいやっと、トランプをまねたのだのだろうか――これはもちろん冗談である。

マッチ1本火事のもと。師走の火遊び、ご用心。

(2024.12.4 花崎泰雄)

 

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