せんだって夏のオリンピック誘致合戦で何百億の金をかけながらも惨敗した東京都知事・石原慎太郎が、バンクーバーの冬のオリンピックについて、以下のような感想を語っていた(朝日新聞サイト)。
①「銅(メダル)を取って狂喜する、こんな馬鹿な国はないよ」。東京都の石原慎太郎知事は25日、バンクーバー五輪の日本選手の活躍に対する国内の反応について、報道陣にこう述べた。
②同日あった東京マラソン(28日開催)の関連式典のあいさつでも同五輪に触れ、「国家という重いものを背負わない人間が速く走れるわけがない、高く跳べるわけない。いい成績を出せるわけがない」と話した。
27日の朝刊(拙宅の場合朝日新聞東京版)を見て、つれあいがあきれたように言った。「朝日新聞、狂ってる」。銀メダルに終った日本の女子フィギュア選手について、まるで金メダルを取ったかのような紙面展開だったからだ。社会面の見開きに見たこともないような大きな活字が躍り、いわく「これぞ我が舞姫」「泣かないで真央」。見出しをつけたのはいい年のおじさん/おばさん編集者なのだろうが、気恥ずかしいことである。
韓国では金メダルを取った選手のことで大騒ぎだ。東亜日報は社説で「キム・ユナのプレゼント、国民も泣いた」と書いた。
さて、日本の新聞は日本の選手が2位だったというのがメインの見出し、バンクーバーの地元紙のサイトを見たら、カナダの選手が銅メダル獲得というのがメインの見出しになっていた。メダルに関係のないアメリカのABCのサイトを見ると、韓国の選手が金メダルというのがメインの見出しになっていた。
したがって、石原のコメント「銅メダルを取って狂喜する、こんな馬鹿な国はないよ」は誤りで、関係各国とも狂喜しているのだ。正確には、石原は「銅メダルを取って狂喜する、なんて馬鹿な国だ」というべきだった。
石原の②のコメント「国家という重いものを背負わない人間が速く走れるわけがない、高く跳べるわけない。いい成績を出せるわけがない」はナンセンスだ。3月27日の朝日新聞夕刊に「金メダルまだ3つ ロシア落日」という記事が載っていた。ロシアが選手養成のための国家予算を削減したのでメダル獲得数が激減した、という話だ。したがって石原は正確には「国家に背負われない人間が速く走れるわけがない、高く跳べるわけない。いい成績を出せるわけがない」というべきだった。
たしかオリンピックに出るためにロシア国籍をとった元日本国籍者がいた。オリンピックで日本選手に金メダルをとらせ国旗を揚げさせたければ、有望な外国選手をくどいて高額な契約金を払い一時的に日本国籍をとらせ、日本選手として出場させる―ーなんて方法、どうだろう。例えば金メダル1個50億円、10個で500億円。2009年度の政党助成金が300億円余だったから、政党には共産党をみならって、それぞれ税金依存体質から脱却し自立してもらうことにして、浮いた金を金メダル助成金にふれば、300億×4年=1200億円で、夏冬あわせて24個の金メダルがとれる計算になる。
しろがねもくがねもたまもなにせむにとはいふものの金のほしさよ 閑散人
(2010.2.27)
①「銅(メダル)を取って狂喜する、こんな馬鹿な国はないよ」。東京都の石原慎太郎知事は25日、バンクーバー五輪の日本選手の活躍に対する国内の反応について、報道陣にこう述べた。
②同日あった東京マラソン(28日開催)の関連式典のあいさつでも同五輪に触れ、「国家という重いものを背負わない人間が速く走れるわけがない、高く跳べるわけない。いい成績を出せるわけがない」と話した。
27日の朝刊(拙宅の場合朝日新聞東京版)を見て、つれあいがあきれたように言った。「朝日新聞、狂ってる」。銀メダルに終った日本の女子フィギュア選手について、まるで金メダルを取ったかのような紙面展開だったからだ。社会面の見開きに見たこともないような大きな活字が躍り、いわく「これぞ我が舞姫」「泣かないで真央」。見出しをつけたのはいい年のおじさん/おばさん編集者なのだろうが、気恥ずかしいことである。
韓国では金メダルを取った選手のことで大騒ぎだ。東亜日報は社説で「キム・ユナのプレゼント、国民も泣いた」と書いた。
さて、日本の新聞は日本の選手が2位だったというのがメインの見出し、バンクーバーの地元紙のサイトを見たら、カナダの選手が銅メダル獲得というのがメインの見出しになっていた。メダルに関係のないアメリカのABCのサイトを見ると、韓国の選手が金メダルというのがメインの見出しになっていた。
したがって、石原のコメント「銅メダルを取って狂喜する、こんな馬鹿な国はないよ」は誤りで、関係各国とも狂喜しているのだ。正確には、石原は「銅メダルを取って狂喜する、なんて馬鹿な国だ」というべきだった。
石原の②のコメント「国家という重いものを背負わない人間が速く走れるわけがない、高く跳べるわけない。いい成績を出せるわけがない」はナンセンスだ。3月27日の朝日新聞夕刊に「金メダルまだ3つ ロシア落日」という記事が載っていた。ロシアが選手養成のための国家予算を削減したのでメダル獲得数が激減した、という話だ。したがって石原は正確には「国家に背負われない人間が速く走れるわけがない、高く跳べるわけない。いい成績を出せるわけがない」というべきだった。
たしかオリンピックに出るためにロシア国籍をとった元日本国籍者がいた。オリンピックで日本選手に金メダルをとらせ国旗を揚げさせたければ、有望な外国選手をくどいて高額な契約金を払い一時的に日本国籍をとらせ、日本選手として出場させる―ーなんて方法、どうだろう。例えば金メダル1個50億円、10個で500億円。2009年度の政党助成金が300億円余だったから、政党には共産党をみならって、それぞれ税金依存体質から脱却し自立してもらうことにして、浮いた金を金メダル助成金にふれば、300億×4年=1200億円で、夏冬あわせて24個の金メダルがとれる計算になる。
しろがねもくがねもたまもなにせむにとはいふものの金のほしさよ 閑散人
(2010.2.27)