3月29日、東京で桜の開花宣言があり、30日黄沙が吹いた。
3月30日はぽかぽか陽気だった。近くの公園に散歩に出かけた。公園内の遊歩道には屋台のトラックがずらりと並んでいた。桜明神の縁日のようだ。
人々は園内の草地にシートを敷き、そのうえで飲食、談笑している。お花見なのだが、木には開花した花がまだ少ない。1輪の桜花を十人以上でながめるような花見だ。普段、公園には犬を連れた散歩人が多く、犬は木の根元をかぎ、オシッコをし、時にはウンチもする。散歩者によってはオシッコにペットボトルの水をかけ、ウンチを拾って持ってきたプラスチックバッグにおさめて持ち帰る。もちろんそうでない人もいる。とはいえこの公園の遊歩道と草地は、パリの裏通りより糞が少ない。
花見らしい花見ができるにはあと数日かかるだろう。仕事を持つ勤め人には30日か31日の土日しかない。次の週末は落下さかんのころだろう。日本国首相の岸田文雄氏は花見どころではないだろう。4月に入ると党紀委員会で派閥パーティー券に関わった議員たちの処分を決めなければならない。30日付の朝日新聞朝刊によると、29日夕方自民党福総裁の麻生太郎氏と自民党幹事長の茂木敏充氏が、首相官邸の裏口から官邸に入り、岸田氏と話し合った。自民党副総裁・幹事長の党幹部が裏口から官邸に入ったのはなぜだろうか。
朝日新聞によると、自民党派閥の裏金事件をめぐり、岸田文雄首相は29日、自民党の麻生太郎副総裁、茂木敏充幹事長ら党幹部と首相官邸で会談した。安倍派幹部ら裏金作りに関与した関係議員の来週中の処分に向け、意見交換した。麻生・茂木両氏が自民党総裁である岸田氏と会うために官邸の裏口を使ったことについて朝日新聞はその意図を記事にしてない。おそらくは来訪の記録を残したくなかったと推察できる。
4月に入って新しい週が始まると安倍派幹部だった議員たちの処分が発表される。安倍派の旧幹部たちが政治的に身動きできなくなり、影のボスとうわさされた森元首相の影響力が党内で薄くなる。麻生氏や茂木氏も今のままでは党総裁になりにくい。岸田氏本人も低支持率で党内の支持が薄らいでいる。パーティー券スキャンダルに乗じて、禍福を逆転させようとした岸田氏の派閥解消作戦が功を奏して自民党が解体し始めた。自民党は派閥の連合体なのだから。小泉純一郎氏は、自民党をぶっ壊せと叫んで自民党の人気者になった。そのおかげで後継者の進次郎氏は、これといった業績もないのに、世評では首相にしたい議員に入っている。
パーティー券キックバックの議員処分、4月下旬の衆院3補選、首相訪米などの結果に加え、首相の人気があがる外交成果がなければ岸田政権は沈没する。
(2024.3.30 花崎泰雄)