きゃらめるぽっぷこーん

きっかけは韓国映画、今は興味の赴くままに観ます。mottoは簡潔に。radiotalkでラジオ配信始めました。

キムチを売る女

2010年07月25日 | 韓国
キムチを売る女(原題:망종) 2005年  ☆ヽ(*^ω^*)ノ
監督:チャン・リュル
出演:リュ・ヨニ、キム・パク、チュ・グァンヒョン

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中国東北部の乾いた町、鉄道の敷地内のような場所に建つ壊れかけたレンガ作りの家に32歳の朝鮮族の女チェ・スニ(リュ・ヨニ)は一人息子のチャンホ(キム・パク)と暮らしている
母子二人で流れ着いたこの地でキムチの露天商で生計を立てていた


なぜか、このままずーっといけるところまで、スニに走っていって欲しいって思った


「キムチを売る女」
原題は「芒種」
芒種(ぼうしゅ)は二十四節気のひとつで6月初旬、種を撒く季節のこと
芒(のぎ)を持つ稲や麦などだそうです
スニの隣りの部屋に住む4人の若い売春婦たちが「芒種は農家は忙しいから家に帰って手伝わなきゃ」とつぶやいてました、帰る気(帰るところ?)はなさそうでしたが、、、

音楽のない静かな映画
主人公のスニは寡黙で表情もなく、生きるために毎日キムチを作って売って暮してる
人殺しをした夫、流れ着いた地
息子はいつ家に帰るのか?と聞いてたから
帰る場所も行く場所もない根無し草のような母と子が静かに暮らす毎日が淡々と過ぎる

朝鮮族とは韓国にルーツを持ち中国を祖国とする中国籍韓国人で
でも中国人であって韓国人ではなく、中国の少数民族のような存在だそうです

映像が綺麗で絵画を見てるようなのよね
カメラが固定されてただ枠があるだけ
そこを自転車や人が歩いて左から右へ、右から左へと通っていく
人が立ち上がったら上半身が枠上に切れて見えなくなる
徹底して枠があるだけで、その中を登場人物が通っていくような映像

何も起きなくて
いつも無表情で腕を組んで遠くを見るだけスニ
誰かを待っているようでもあり、誰も来ないことを知っているようでもあり
そんな静かな退屈な毎日だと思っていたのにラストは恐ろしくも悲しい状況で終わちゃった

ラストシーンはいつも同じGパン姿だったスニがスカートをはいてるの
固定だったカメラはひたすら彼女の後ろを追いかけて
線路に向かって走り(走ってる電車に飛び込むのかとドキドキしました)
駅の向こうには広い風景が広がっていて
エンディングロールと共に彼女の足音だけが聞こえる

学歴もコネも金もなく生きる術を持たない
どこにも根をはれない女性の心細さばかり感じてしまった

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