こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

黒の青春

2016年03月13日 00時14分45秒 | 文芸
 強烈に思い出す。

そして後悔の念に襲われる。

あれでよかったのだろうか?と。

「あなたの可能性と未来を

邪魔しないから」

 去る前の言葉。

何も反論できなかった。

若いからではなく、

情けない男だったのだ。

「赤ちゃんが出来た」

 と告げられた時も、

狼狽するだけ。

無責任に

われ関せずの立場を

取ったのは

未熟過ぎたから。

怖かった。

父親になる覚悟も、

あなたを妻に迎える

心準備も備わっていなかった。

「あなたは優しいの。

それでいいの」

 六歳年上のあなたが

しみじみと指摘した通り、

優しさしか

持ち合わせていなかったんだ。

 この人は駄目だと

見限られたのも

仕方はないと、

痛切に思う。

手遅れだけど。

人づてに流産したと聞いて、

ものすごい後悔に

襲われ泣いた。

好きだったんだ、

心から愛してた。

 思い出すよ、

一緒にいて

幸せで楽しかったこと。

もう一度会って、

あの日を再現したい。

今な

らあなたを

抱きとめられるのに。
 

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