こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

クラスメート

2016年01月12日 00時27分29秒 | 文芸
地元の高校を受験した。

受験生は市内の各中学生がほとんど。

ベビーブーム世代だから、

それなりに競争率は高かった。

ただ昨年まで母校の志願者は、

ほぼ全員合格していた。

 入試本番の日。

志願する生徒は中学校に自転車で集合だ。

普段徒歩通学で、

あまり慣れていない自転車に、

緊張感はいや増した。

列を組んで、

黙々と高校に向かった。

 試験が終わり、

また全員うち揃い、

帰途に。

三日間の試験中。

自転車の隊列で往復だ。

 合格発表の日、

また自転車の隊列で向かう。

試験日とは違いワイワイガヤガヤと、

誰も不合格になることなど頭になかった。

田舎の中学校でのんびり育つと、

こうなる。

 帰り道は、

あの試験日と同じ無言の隊列となった。

三人が不合格!

仲よしの友達が受けた試練を、

みんなが共有した。

帰りに誰も隊列を抜けるわけにはいかない。

自転車の列は、

学校に帰り着くまで、

まるで葬列だった。

世間の厳しさを,

初めて味わう日となった。

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