こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

ピクニックで見た見事なお弁当?

2015年06月07日 00時04分12秒 | 文芸
ピクニックのお昼がすめば紙袋一枚

 わが家族は5人、いざピクニックへ行こうとなれば、弁当におやつに飲み物……と、けっこうリュックに一杯となる。ピクニックが終わると、ゴミとかさばる空容器となり、持ち帰りが煩わしいものだ。
 先日、出かけた山の公園で、偶然隣り合わせた親子3人連れの外国人家族は(おや?)と思わせるほど手荷物が少なかった。
 さて食事となると、紙袋をガサガサさせ、なんとレタス一個、ハムと食パンそれぞれのかたまり、トマトにリンゴが丸まる一個ずつ。そして携帯用ナイフが一本、男性の手に握られた。
 女性がレタスをはがし、パンはちぎり、トマトは丸かじり、ハムとリンゴは男性が手際よく切っては、女性と子どもに渡す。談笑しながら家族がてんでに口に運ぶ食事風景のスマートさに、いやはや感心させれた。
 食事が終わった後に残ったゴミは紙袋一枚と言う実に見事極まるその光景に、再び「ホーッ!」と感心しうなってしまった。
 公演のあちこちに置かれたゴミカゴから、はみ出して散らばった弁当ガラを横目に下山しながら、今度はわが家もあの外国人家族をぜひ見習ってみようと思った。
 飽食日本の豊かなモノ社会に身を置くことに慣れきったわが家族には、ちょっと面倒くさくて物足らぬピクニックになるかも知れないが……!
(讀賣・1991年5月12日掲載)

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