こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

男衆燃え上がる、酒もってこい!

2015年06月07日 02時54分42秒 | 文芸
男衆燃え上がらせる、酒持ってこい!

 祭りに酒はつきものだ。それもやっぱり日本酒がピッタリくる。
 早朝。太鼓蔵に男衆が三々五々集う。集まった所で、まず酒が振る舞われる。呑める者もそうでない者も、浄めと景気づけで、盃に口をつける。この一杯が格別な味で、実に美味い!
 重厚な布団屋台で地区内を練り回る。15分ぐらいで予定の場所に着く。そこにまた酒だ。一升瓶を抱えた祭り襦袢の青年が酒をついで回る。いい気分で賑やかに騒ぐ男達。そうやってみんな仲間になる。宮入時間までそんな塩梅に5,6回も酒が入ると、足元にも酔いが回り出し、ふだんおとなしいやつも、大胆に、驚くほど逞しく変身する。
 祭りの豪華屋台がスマートに練り進んだって面白くもなんともない。酔いに任せた危なっかしい蛇行と乱練りが祭りの醍醐味だ。
 神社に奉納する際、二トン近い布団屋台を一斉に差し上げたり、ガブッたりできるのも、酒の力あってのこと。酒は男衆の“火事場の馬鹿力”を燃え上がらせる。
 さあ!おれたちの村祭りだ。思いっきし楽しもうじゃないか。ほ~れ、酒持ってこ~い!
(讀賣・1993年10月24日掲載)

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