こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

わが職場は寒冷地だった

2015年06月18日 08時08分18秒 | 文芸
家に帰ったら鍋でも囲むか

 夏はクーラーをガンガン効かせ、冬は暖房なし、という仕出し・弁当会社の調理場で働いている。
 総コンクリート床の職場で、しかも夜間専門。底冷えは相当厳しく、氷点下何十度の冷凍室への出入りはしょっちゅう。いくら十二月生まれの身でも、万全の防寒対策をしなければ、いち日としてもつはずはない。
 そんな職場も5年目。最初のころは防寒の要領が分からなくて、年中風邪ひき状態だった。だが最近は不思議に風邪と縁が切れた。寒ければ重ね着をし、暖かくなれば脱ぐ。このごく当たり前の対処法にたどり着いたおかげである。
「中年太りやん」「もうダルマやな。つまみ食いが全部肉になっとるで」など、言いたい放題の同僚の言葉を聞き流し、今夜も不格好極まりない重ね着で、マグロの刺し身を黙々とつくっている。
 寒冷地(?)では湯気の立つラーメンや肉まんが恋しい。家に帰ったら、もう鍋を囲むしかないよ。
(讀賣・2002・1・27掲載)

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