格差友達は、いま
小学校時代。学校帰りにいつも一緒の友達がいた。住所が近くで、自然とそうなった。
帰り道、いつも友達は私の話に耳を傾けた。図書室の虫みたいに本好きな私。その場で即興の話をつくる。友達は家に帰り着くまで四十分以上、私の物語を聞いてくれた。
「お前の物語、面白いわ。また明日な」
友達はいつも別れ際にそういった。のちに東大へ進学するほど優秀だった彼と、程ほどの成績しか取れなかった私。二人の意外な接点は、私が思いつくままに語る物語だった。
高校から以降、二人の接点は皆無になった。当時の国鉄で順調に出世した彼と、最後はスーパーのパートで終えた私との格差は歴然だった。たぶん話も合わなかったろう。
先日、村の寄り合いで彼に会った。引退して帰郷したのだ。彼はすぐに私を見つけた。
「お前の話ほんまに面白かったんや」
白髪と皺が目立つ友達。お互い歳を食ったなあと、あの頃が思い出されて、目が潤んだ。
小学校時代。学校帰りにいつも一緒の友達がいた。住所が近くで、自然とそうなった。
帰り道、いつも友達は私の話に耳を傾けた。図書室の虫みたいに本好きな私。その場で即興の話をつくる。友達は家に帰り着くまで四十分以上、私の物語を聞いてくれた。
「お前の物語、面白いわ。また明日な」
友達はいつも別れ際にそういった。のちに東大へ進学するほど優秀だった彼と、程ほどの成績しか取れなかった私。二人の意外な接点は、私が思いつくままに語る物語だった。
高校から以降、二人の接点は皆無になった。当時の国鉄で順調に出世した彼と、最後はスーパーのパートで終えた私との格差は歴然だった。たぶん話も合わなかったろう。
先日、村の寄り合いで彼に会った。引退して帰郷したのだ。彼はすぐに私を見つけた。
「お前の話ほんまに面白かったんや」
白髪と皺が目立つ友達。お互い歳を食ったなあと、あの頃が思い出されて、目が潤んだ。
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