生理的欲求と介護 ④ 「食べる」
生理的欲求の1つである「食べる」とは。
人間にとり食べることは、生きることと密接な関係にある。
食べなければ、腹が減り、腹が減っても食べないで居続けると飢え死(餓死)となる。
人間に限らず、他の動物も同じであり弱肉強食の世界のなかで生存している。
食事が満足に出されず、空腹感や渇望感がある子どもや老人は
家庭以外の場所で食べ物が出されると、
他者の眼を気にすることなく貪り食べる様は、デイサービスの昼食風景でも見られる。
食事に飢えている子どもや老人は、ある意味では家族愛に飢えているような気がしてならない。
食を満たすことは、生命を紡ぐ上でも大切になってくる。
しかし、人間は腹を満たせば(満腹)、それで満足する動物かというと、そうではない。
「食」は、生活であり文化であり、
故郷(ふるさと)の味、おふくろの味が懐かしく、
東京の小料理や割烹では、故郷の料理や旬の食べ物を求めお客が暖簾(のれん)をくぐる。
仕事など自分が頑張ったとき、家族などの誕生祝い、嬉しいときなど
人間は外食や家庭ではご馳走を振るまったりして、食事を楽しんだり、食を味わったりする。
一人だけで食事は(どんなご馳走であっても)味気なく、箸も進まなくなる。
気の合った人たちと、食事するときは、美味しいし、楽しいく、満足感に浸れる。