老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

471;上手な介護サービスの活用処方 第25話「認定調査の項目」 ㉓

2017-10-13 12:07:04 | 上手な介護サービスの活用処方
上手な介護サービスの活用処方 第25話「認定調査の項目」 ㉓ 

今回から 第4群 精神・行動障害に関する認定調査項目になる。
認知症の症状が、日常生活において、どのような行動障害が起きているのか。

被害妄想、昼夜逆転等の精神症状や、介護に抵抗、物を壊したり、衣類を破いたりするなどの行動に関して調査を行うのが第4群である。

選択肢の選択基準

1.ない
・その問題となる行動が、過去1か月間に1度も現れたことがない場合や
ほとんど月1回以上の頻度で現れない場合をいう。
・意識障害、寝たきりなどの利用により、その問題となる行動が現れる可能性がない場合も含まれる。


2.ときどきある
・少なくとも1箇月に1回以上、1週間に1回未満の頻度で現れる場合をいう


3.ある
・少なくとも1週間に1回以上の頻度で現れる場合をいう



・本人の目の前にして、「本人の日頃の行動や介護上で困ったことや問題」を話すのは難しいこともあり、
本人の居ないところで話されるか、あらかじめメモ書きでも良いから、箇条書きにしておくと良いでしょう。
認定調査が終わってから、これも話しておけば良かった、と反省(後悔)することもあるので、メモ書きしておくと助かります

・介護者が日頃のなかで、各項目に沿い、また各項目にないことでも
本人の日頃の行動や困っていること、手がかかっていることなどを話されることです。
・認定調査員のなかには、単に「ある」「ない」だけの問いしかしない人もいるので、
上記のような困っていることを積極的に話されることが大切です。
本人の恥をさらすという意味ではなく、
介護で困っていることをありのままに話されることです。
家族が話された内容が特記事項に記載され、要介護認定審査会でにおいて要介護認定の判断材料となります。

第4群の認定調査項目は、15項目あります。
調査項目にないことでも、介護上で困ったことや問題があれば、そのことも話しておくと良いでしょう。

470;生理的欲求と介護 ④ 「食べる」 ⅱ

2017-10-13 03:55:08 | 介護の深淵
 生理的欲求と介護 ④ 「食べる」ⅱ

いま田畑や木々は実りの秋にあり、
野山に棲む熊、猪、鹿、野猿、烏な達は、
人里に出没し農民を悩ませている。
野生の動物達は、熟した頃に訪れ、
食べごろの物を選び、喰い散らかし去って行く。
野生の動物達でさえ、秋の味覚を味わっている。

病を抱えた老人は
いつ、突然死に遭遇するかわからない。
いま元気であっても
”夜明け前に亡くなりました”と家族から訃報の電話が入る
だから秋桜デイサービス(定員10人)では
今日が最後の食事になるかもしれない、という想いで
昼食を作り一緒に食べる。

だから旬の物や本人が食べたい物を出す。
ときには(一口だけでもいいから)塩鮭や筋子を食卓に出したりする。

いつも作ってもらい食べるだけでは、申し訳ないと思う老人。
たまには、餃子やコロッケ、カレーライス、お好み焼きなどを最初から作ってもらう。
自分たちが作った料理は、更に美味しく感じる。

また車に乗り、蕎麦屋、ラーメン食堂、ファミレス、道の駅等に入り
外食を楽しむ
家族の人とは外食に来ることはない。
何故なら不自由な自分が行くと足手まといになるから、
本人は行かずに我慢し、家で留守番をしている。
でもこうして同じ仲間で行くと
時間や人前を気にせずに
外食を楽しむことができることは、
嬉しい。

自由に旅に出かけることも容易でなくなってきた老人にとって、
残された唯一の楽しみは「食べる」こと。
家族ではないが家族のような仲間(疑似家族)と「食べる」。
食べること、それは単なる生理的欲求にとどまらず、
その人の食生活や心までをゆたかにしてくれる。
食べることは、最下層の欲求ではあるが
生きる力(あるいは希望)をもたらしてくれる。