老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

1049;どうにも止まらない

2019-04-10 16:56:14 | 老いの光影 第4章
銚子燈台

“どうにも止まらない”

“なつぞら”のドラマが終わると同時に
ピンク色のケースに収まっているスマホが鳴り響いた

肺癌末期を自宅で看ている妻からであった
「昨日の朝から鼻血が止まらない。レバーみたい血の塊も出た」
訪問看護師に連絡を入れ、かかりつけの総合病院耳鼻科に受診することになった。

急いで清水健太郎さん宅を訪問
食欲がなく、気持ちも塞ぎ
妻にも冷たくあたる。
「俺の苦しみは俺しかわからない」

夫の苦しい気持ちもわかるけど
私も精一杯、疲れ、ストレスが溜まり、夜も眠れない
疲労困憊

血液サラサラの薬も服用していることもあり
なかなか鼻血は止まらない
鼻孔にテッシュを詰めるも 鼻血は止まらない

救急車を呼ぶほどでもないが
妻一人で車に乗せることも難しい
立つこともままならぬほど体力は落ちている

まだ契約してはいないが
介護タクシー会社に電話を入れ 総合病院への搬送を依頼。

病院に到着し、40分ほどしてから
耳鼻科の診察となった

耳鼻科医の説明によると
鼻腔の壁が傷つきそこから鼻血が出た
本人が負担にならない程度、鼻の孔にガーゼを詰めた

7日間はガーゼはとらずにそのままにしておくこと
途中でガーゼを取り出してしまうと、カサブタがとれたり鼻の壁を更に傷つけ
鼻血が止まらなくなり、慌てて病院に来る人もいる

7日後にガーゼをとるので再受診を。
ガーゼをとらずにいると
これもまた大変なこと(よくないこと)になる


健太郎さんが診察室で処置を受けている間
待合室で妻 雪子さんと話をした。

ご主人の生命をひとりで抱え込むのは大変ですよ。
何かあったら訪問看護師やケアマネジャーに躊躇わず電話かけてね

食欲がないので、無理して食事をあげなくても・・・
調子が良いときなど ウインダゼリーを器に空け、スプーンで食べさせてみるのも1つの方法です
あとは大好物、好物など少量でもよいから、食べたいものを・・・・

夜中、夜明けでも気にせず、困ったら電話をおかけください

健太郎さんは余命1ヶ月と告知され
3ヵ月を迎えようとしている

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1048;飲み忘れの薬がビニール袋から溢れるほど、あるわ、あるわ~

2019-04-10 03:06:23 | 老いの光影 第4章
南湖公園 老木に桜の花

飲み忘れの薬がビニール袋から溢れるほど、あるわ、あるわ~

別のケアマネジャーから受け継いだ稗返義三さん(76歳)
本日二度目の在宅訪問をした

病気は多彩にある
アルコール依存症  酒好きで毎晩ワンカップの焼酎いいちこを飲み続けている
アルコール性認知症 いま服薬したこともインスリン注射をしたことも忘れ、またインスリン注射をしようとする
頚椎症のほか右足大腿骨骨折
糖尿病
陳旧性心筋梗塞  
慢性閉塞性肺疾患 なのにときどき喫煙をしている

稗返爺さんは、建設業、解体業、ラーメン店経営など様々な仕事を転々とした
国民年金で、妻と合せても月3万円足らず


妻は両眼、緑内障で治療中
将来失明の心配
夫の介護どころではないのだが
頑固、我儘な夫は
かたときもベッドの傍らに妻をおき
世話をしてもらっている

夫は大声で妻や長女を怒鳴ったり叩いたり物を投げたりする
そういうときは好きな焼酎も飲まさせなければ、と思うも
そうはいかない

妻も長女も疲れきっている

妻が服薬の「管理」をしているのだが
2年前のインスリンやら錠剤が
4,5個のビニール袋にいっぱい入っていた

朝昼晩
どの薬を、何錠服薬するのか
妻もわからなくなっている
一包化の薬もあれば
シートごと服薬されていない錠剤もあった
その他に打たれていないインスリン

私の方も何だかストレスが溜まりそう
一度本人と妻と一緒に
通院同行し
インスリン注射を服薬に変更することが可能なのかどうか

そして最低限必要な薬だけに絞ってもらえるのかどうか

服薬をわかりやすくしていかねば
薬は溜まる一方

心疾患、肺疾患、そして糖尿病もあり
正しく服薬しないと大変なことになる

今月、あと2,3回は訪問せねばならない



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