『夏椿 三十朗は 赤でした』
(なつつばき さんじゅうろうは あかでした)
『夏椿 そんな御仁が 居るかもね』
(なつつばき そんなごじんが いるかもね)
『会いたいと 書けぬ短冊 笹節句』
(あいたいと かけぬたんざく ささせっく)
『七夕や 朱塗りの小舟 櫂も無く』
(たなばたや しゅぬりのこぶね かいもなく)
『追試有り 今年は少なき 夏期休暇』
(ついしあり ことしはすくなき かききゅうか)
『白扇や 畳んで結ぶ 世界あり』
(はくせんや たたんでむすぶ せかいあり)
『雲の峰 生駒の山を 跨いでる』
(くものみね いこまのやまを またいでる)
『群れ咲きし 向日葵の先 澄みし空』
(むれさきし ひまわりのさき すみしそら)
『おじおばの 重なる中元 缶ビール』
(おじおばの かさなるちゅうげん かんびーる)
『滴るや 汗の量も 年の程』
(したたるや あせのりょうも としのほど)