俺流俳句 「いちらくいちらく」

俳句で遊ぼ。

あなたも、優しくなれます。
          
          千秀

梅酒

2008年07月16日 | 俳句

『涼風か 拓哉の演説 目に涙』
(すずかぜか たくやのえんぜつ めになみだ)

『蝉時雨 初音なりしか 喧し』
(せみしぐれ はつねなりしか かまびすし)

『寝不足の 朝に目覚まし 蝉の声』
(ねぶそくの あさにめざまし せみのこえ)

『蝉の声 暑くなるよな 予感して』
(せみのこえ あつくなるよな よかんして)

『メタボ症 心頭滅却 なお暑し』
(めたぼしょう しんとうめっきゃく なおあつし)

『息長し 元の会社の 小団扇』
(いきながし もとのかいしゃの しょううちわ)

『誰が為に 漬けし梅酒や 棚の中』
(たがために つけしうめしゅや たなのなか)

『待ち侘びし 夕立降るも すぐ止みし』
(まちわびし ゆうだちふるも すぐやみし)

『夕立に 梅雨は明けたか 聞く嫁御』
(ゆうだちに つゆはあけたか きくよめご)

『ふるさとは 山笠終わり 夏本番』
(ふるさとは やまかさおわり なつほんばん)

『向日葵は 黄河の畔 天を向き』
(ひまわりは こうがのほとり てんをむき)


夕立

2008年07月15日 | 俳句

『打水の 草に残りし 露光る』
(うちみずの くさにのこりし つゆひかる)

『打水に 風の生れて 通りけり』
(うちみずに かぜのうまれて とおりけり)

『蜘蛛の巣に 露の真珠玉 首飾り』
(くものすに つゆのまじゅだま くびかざり)

『犬吠える 程の暑さよ 風の欲し』
(いぬほえる ほどのあつさよ かぜのほし)

『暮れ泥む 夕立雲に 気配なし』
(くれなずむ ゆうだちぐもに けはいなし)
 
『夕立ちは 待てども降らぬ ものらしき』
(ゆうだちは まてどもふらぬ ものらしき)


甚平

2008年07月14日 | 俳句

『梅雨明けは まだかまだかと 嫁走る』
(つゆあけは まだかまだかと よめはしる)

『甚平や 自堕落振りが 様になり』
(じんべいや じだらくぶりが さまになり)

『暑き日や やおら気になる 影法師』
(あつきひや やおらきになる かげぼうし)

『冷麦の 色ある麺の 息長し』
(ひやむぎの いろあるめんの いきながし)

『うなだれて 泪の雫 茄子の花』
(うなだれて なみだのしずく なすのはな)

『のうぜんの 花のこぼれて 夕焼ける』
(のうぜんの はなのこぼれて ゆうやける)


2008年07月13日 | 俳句

『濃く淡く 甘みの残る 新茶かな』
(こくあわく あまみののこる しんちゃかな)

『年寄れば 左団扇の 夢ばかり』
(としよれば ひだりうちわの ゆめばかり)

『合歓の花 優しく淡く 夢の花』
(ねむのはな やさしくあわく ゆめのはな)

『共に寝ん 撫子咲ける 夢処』
(ともにねん なでしこさける ゆめどころ)

『揺れ惑う 雨の明日香の 蛍かな』
(ゆれまどう あめのあすかの ほたるかな)

『子の手より 光の洩れし 蛍かな』
(このてより ひかりのもれし ほたるかな)

『幾年も ほ、ほう、ほうたる 待ちわびて』
(いくとせも ほ、ほう、ほうたる まちわびて)


夏草

2008年07月12日 | 俳句

『一列に 手を繋ぎたる 合歓の花』
(いちれつに てをつなぎたる ねむのはな)

『空青く 桜若葉の 目に沁みて』
(そらあおく さくらわかばの めにしみて)

『夏草の 露の跡なる ズボン裾』
(なつくさの つゆのあとなる ずぼんすそ)

『のうぜんの 朝陽を浴びて 朱み増し』
(のうぜんの あさひをあびて あかみまし)

『夏椿 一輪に見る やせ我慢』
(なつつばき いちりんにみる やせがまん)


蜘蛛の糸

2008年07月11日 | 俳句

『高架下 合歓の木一本 咲き誇り』
(こうかした ねむのきいっぽん さきほこり)

『バス停の 鉢植え花に 蜘蛛の糸』
(ばすていの はちうえばなに くものいと)


2008年07月10日 | 俳句

『どしゃ降りの 雨に叫ぶや 梅雨よ去れ』
(どしゃぶりの あめにさけぶや つゆよされ)

『日傘では このどしゃ降りは 防げません』
(ひがさでは このどしゃぶりは ふせげません)

『外人女も パンツ丸出し 夏の街』
(がいじんも ぱんつまるだし なつのまち)

『梅雨の空 数が気になる 万歩計』
(つゆのそら かずがきになる まんぽけい)

『白百合は 雨も風をも やり過ごし』
(しらゆりは あめもかぜをも やりすごし)

『梅雨ならで 見る夢さえも 雨に濡れ』
(つゆならで みるゆめさえも あめにぬれ)

『夏ぐれは 梅雨の終わりか 最中かや』
(なつぐれは つゆのおわりか さなかかや)
                 夏ぐれ=夏のスコール(沖縄地方)

『雨脚の 途切れもなくて 夏の駅』
(あまあしの とぎれもなくて なつのえき)

『青嵐 山の頂 靄ばかり』
(あおあらし やまのいただき もやばかり)

『エコでなく エゴで終わって 梅雨明ける』
(えこでなく えごでおわって つゆあける)

『小百合花 後も逢わんと 三年過ぎ』
(さゆりばな ゆりもあわんと みとせすぎ)

『奈良山の 小松が下に 夢の虹』
(ならやまの こまつがしたに ゆめのにじ)


百合

2008年07月09日 | 俳句

『百合活ける その一本に 己有り』
(ゆりいける そのいっぽんに おのれあり)

『小百合咲く この半世紀 サユリスト』
(さゆりさく このはんせいき さゆりすと)

『青葉陰 吾子は砂場で 泥まみれ』
(あおばかげ あこはすなばで どろまみれ)

『茶の心 余情残心 忘れ草』
(ちゃのこころ よじょうざんしん わすれぐさ)
                    忘れ草=萱草

『萱草や 憂いの数ほど 咲きにけり』
(かんぞうや うれいのかずほど さきにけり)

『撫子や 我勇者男の なれの果て』
(なでしこや われますらおの なれのはて)
                    勇者男=勇者九州男=ますらくすお(?)

『昼顔の 涙の露の 一雫』
(ひるがおの なみだのつゆの ひとしずく)

『晴れて降る 梅雨の不思議か 名残雨』
(はれてふる つゆのふしぎか なごりあめ)

『手枕の 指先痺れ 昼寝覚』
(てまくらの ゆびさきしびれ ひるねざめ)


2008年07月08日 | 俳句

『夏椿 三十朗は 赤でした』
(なつつばき さんじゅうろうは あかでした)

『夏椿 そんな御仁が 居るかもね』
(なつつばき そんなごじんが いるかもね)

『会いたいと 書けぬ短冊 笹節句』
(あいたいと かけぬたんざく ささせっく)

『七夕や 朱塗りの小舟 櫂も無く』
(たなばたや しゅぬりのこぶね かいもなく)

『追試有り 今年は少なき 夏期休暇』
(ついしあり ことしはすくなき かききゅうか)

『白扇や 畳んで結ぶ 世界あり』
(はくせんや たたんでむすぶ せかいあり)

『雲の峰 生駒の山を 跨いでる』
(くものみね いこまのやまを またいでる)

『群れ咲きし 向日葵の先 澄みし空』
(むれさきし ひまわりのさき すみしそら)

『おじおばの 重なる中元 缶ビール』
(おじおばの かさなるちゅうげん かんびーる)

『滴るや 汗の量も 年の程』
(したたるや あせのりょうも としのほど)


七夕

2008年07月07日 | 俳句

『七夕や 願いは一つ 書けもせで』
(たなばたや ねがいはひとつ かけもせで)

『七夕や 織姫星は 雲の上』
(たなばたや おりひめぼしは くものうえ)

『棚機や 彦星話 影薄く』
(たなはたや ひこぼしばなし かげうすく)
                   棚機=七夕

『梅雨明けに 嫁の関心 増すばかり』
(つゆあけに よめのかんしん ますばかり)

『白日傘 目眩クラクラ 眩しけれ』
(しろひがさ めまいくらくら まぶしけれ)

『未央柳 茶筌細工の 雄蕊かな』
(びょうやなぎ ちゃせんざいくの おしべかな)

『散り急ぐ 白く儚き 夏椿』
(ちりいそぐ しろくはかなき なつつばき)


夏椿

2008年07月06日 | 俳句

『夏痩せも 遠い昔の 我が身なり』
(なつやせも とおいむかしの わがみなり)

『なつかしき 守宮の影絵 嫁の声』
(なつかしき やもりのかげえ よめのこえ)

『夏椿 色は白でも 気は同じ』
(なつつばき いろはしろでも きはおなじ)

『壁埋めし のうぜんかずらの 花こぼれ』
(かべうめし のうぜんかずらの はなこぼれ)

『露草や 羽根を拡げて 飛ぶが如』
(つゆくさや はねをひろげて とぶがごと)

『花摘みて 実ならざる昔 枇杷話』
(はなつみて みならざるむかし びわばなし)


朝顔

2008年07月05日 | 俳句

『朝顔や 一輪ほどの 天下かな』
(あさがおや いちりんほどの てんかかな)

『向日葵の 目の付けどころ その首に』
(ひまわりの めのつけどころ そのくびに)

『よくもまあ 夏の清白 2本ほど』
(よくもまあ なつのすずしろ 2ほんほど)

『何しても 可愛いさ勝る 孫の夏』
(なにしても かわいさまさる まごのなつ)

『中元を 一口残す ゆとり無し』
(ちゅうげんを ひとくちのこす ゆとりなし)

『木に登る 老人、浮世の 夏を知る』
(きにのぼる ろうじん、うきよの なつをしる)

『片蔭を 求めて歩く 道遠し』
(かたかげを もとめてあるく みちとおし)

『玉の茶の 香りころがし 汗治む』
(たまのちゃの かおりころがし あせおさむ)

『明易や カーテン越しの 陽の光』
(あけやすや かーてんごしの ひのひかり)

『遠雷や 涼しさつのる 音の波』
(とおらいや すずしさつのる おとのなみ)


酒中花

2008年07月04日 | 俳句

『青鷺の 我に赤面 夏の川』
(あおさぎの われにせきめん なつのかわ)

『夏小鷺 意地の悪さか そっぽ向く』
(なつこさぎ いじのわるさか そっぽむく)

『夏の川 小鷺青鷺 仲違い』
(なつのかわ こさぎあおさぎ なかたがい)

『この暑さ どうにもならぬ この暑さ』
(このあつさ どうにもならぬ このあつさ)

『おとなりさん 貴方は誰と 夏の午後』
(おとなりさん あなたはだれと なつのごご)

『梅雨茸 昔のマンガに パンツ茸』
(つゆきのこ むかしのまんがに ぱんつたけ)

『七夕や 吊り広告に 愛は無し』
(たなばたや つりこうこくに あいはなし)

『サミットと 呼べぬ御仁や 夏旱』
(さみっとと よべぬごじんや なつひでり)

『人相の 悪き人増え 夏旱』
(にんそうの わるきひとふえ なつひでり)

『蟇蛙 姿も声も 見せぬ世に』
(ひきがえる すがたもこえも みせぬよに)

『鳶の飛ぶ 青空の中 酒中花』
(とびのとぶ あおぞらのなか すいちゅうか)
                  酒中花=水中花

『雨が降り 雷鳴って 梅雨上がる』
(あめがふり かみなりなって つゆあがる)


サングラス

2008年07月03日 | 俳句

『風去らば 数少なきや あめんぼう』
(かぜさらば かずすくなきや あめんぼう)

『夏風に 揺れ惑いけり 尾鶏蘭』
(なつかぜに ゆれまどいけり びけいらん)

『陽が射せば 夏雲顕わ 眩しかり』
(ひがさせば なつぐもあらわ まぶしかり)

『こうもまあ 置きどころ無き 夏の女』
(こうもまあ おきどころなき なつのひと)

『ふるさとの 山聳え立つ 雲の峯』
(ふるさとの やまそびえたつ くものみね)

『おばちゃんは 日傘スタンド 自慢げに』
(おばちゃんは ひがさすたんど じまんげに)

『学び舎の 小池に泳ぐ 金魚あり』
(まなびやの こいけにおよぐ きんぎょあり)

『このごろは サングラス少な 顔佳きや』
(このごろは さんぐらすすくな かおよきや)

『七夕の 無垢の短冊 笹の前』
(たなばたの むくのたんざく ささのまえ)

『緑濃き 並木ぶつかる 交差点』
(みどりこき なみきぶつかる こうさてん)

『空と海 夏の青さを 鳶飛ぶ』
(そらとうみ なつのあおさを とんびとぶ)

『各駅の 停車に負けず 昼寝継ぐ』
(かくえきの ていしゃにまけず ひるねつぐ)


梅雨の空

2008年07月02日 | 俳句

『梅雨の空 晴れるとともに 気も晴れて』
(つゆのそら はれるとともに きもはれて)

『この一句 創らなくとも 夏の朝』
(このいっく つくらなくとも なつのあさ)

『夏列車 目覚めて変わる 前の席』
(なつれっしゃ めざめてかわる まえのせき)

『梅雨空に 酒抜けぬ朝 来れども』
(つゆぞらに さけぬけぬあさ きたれども)

『紫陽花の 色掠れても 凛として』
(あじさいの いろかすれても りんとして)