HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

うたばん

2008年10月04日 | レッスン日記(小中高生)
ここで言う「うたばん」とは、「歌の伴奏ピアノ」のことです。
学芸会での 学年合唱「勇気ひとつを友にして」の伴奏ピアニストに抜擢されたS子ちゃん(小4)。
先週、楽譜のフィンガリング(指づかいを決めること)をして、模範演奏をテープに録音してあげました。
今日、レッスンにきたS子ちゃんは、全4ページの楽譜の前半、2ページまでを びっくりするぐらいしっかり練習してきていました。
「すごーい!(パチパチパチ)いっぱい練習したんだね?! 」
「はい・・・」
いつも優等生のS子ちゃんですが、いつもに増してよく練習してきています。
しかし。本当の音楽の勉強は、ここからがスタートなのです。
聞けば、学芸会は11月の終わり頃で、11月に入ったらみんなの合唱練習が開始されるのだということです。
「じゃ、10月いっぱいまでに、伴奏仕上げるってことだね」
「はい」
「大丈夫。できるよ!。。。がんばれば。」
「ハァ・・・がんばれば・・・ですね」
「そういうこと。」
うたばん、には、いつもみんなが慣れている「ピアノ独奏」とはまた違った難しさがあります。
ある意味、独奏よりずっと難しい面もあり。
「それはね」 ヒバリはS子ちゃんに言いました。
「一人のピアノだったら、難しいところを間違えても、まあしょうがない。自分一人のことだから、『すみません、まちがえました』で済むし、難しいところだけ ちょっとごまかしてゆっくり弾いたり、飛ばして弾いちゃったり、つまずいて弾き直したり、ということもある。
だけど、伴奏は そうはいかないよ。何しろ、大勢が一緒に歌うんだから。
みんなが歌いやすいように、ぜーっっったい間違えちゃいけないし、テンポが走ったりノロノロしたりしちゃいけないし、出をトチっちゃいけないし、モタモタ迷っちゃいけないし」
「うわぁ~」
「そればかりか、ピアノの盛り上がりによって、みんなの歌をリードしたり、気持ちを引っ張っていったりしなきゃいけない。ピアノ伴奏次第で、歌の出来映えが、驚くほど違ってくるんだから」
「ええっ、そ、そうなの・・・」
「そうして、見よ、この、ピアノソロの部分を! ここはみんながシーンとして、観客全員がピアノ伴奏者に注目する中で、ぐわ~んとパフォーマンスで盛り上がるところだよっ」
「きゃ~」
いつもは親切なヒバリ先生も、このときとばかりS子ちゃんに めちゃめちゃプレッシャーかけまくりです。
でも、伴奏者というのは、ほんとにそれくらい大切な役割なのです。
その日のレッスンでは、いつもは見逃していた細かい音色も、いちいち納得いくまで弾き直させ、微妙なタッチやテンポ、ダイナミクス(強い・弱いの調節)なども徹底的にしごきまくり。
S子ちゃんの学校の先生! 今回は彼女に、こんなに学習するチャンスを与えてくださり、ありがとうございますっ♪
S子ちゃん自身は「とんだ役割を引き受けてしまった」と思ってるかもしれないけど、ヒバリの方は 子どもたちにはめったにそこまでさせる余裕のない「音楽追求体験」のチャンスに、大喜びですわ~ \(^◇^)/