HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

「花の歌」の表現、カデンツァの弾き方

2021年05月07日 | クラシック曲

Mちゃん(高2):

この前にやった「花の歌」の仕上げです。

この曲の最大の見せ場は、2回出てくる「カデンツァ」です。

「カデンツァ」というのは、クラシック音楽用語で、その部分だけ伴奏がパタッとなくなり、ソロ楽器が数秒間、派手なテクニックを披露する音列をばばーんと奏でること。大方は華やかなアルペジオやスケールで飾り立てられています。

つまり、演奏者の「どや!」を見せびらかすところなので、カデンツァが上手に弾けたら、その曲の演奏はほとんど成功したといっても過言ではありません。

「カデンツァを制する者は曲を制する」なのです。

さて、そんなカデンツァが2か所も盛り込まれている「花の歌」、まず1回目のカデンツァは、Aのコードのアルペジオで駆け上がり、駆け降りるスタイルです。

特にテンポの細かい指定はありませんが、こういった長い上昇→下降のパッセージを弾くのにはコツがあります。

「坂道を上るように上り、下るように下る」コレです。

みなさん、自転車で坂道を上ったことはありますか?

上り始めはペダルが重いので、力いっぱいこいでモーションをつける。すぐに軌道に乗り、ぐんぐんと勢いがついて上っていく。坂のてっぺんにつき、一瞬平らになった、と思う間もなく、下りはどんどん加速度がついて一気に転がり落ちるように。坂の下まで降りたら、後はゆるやかな平地・・・

これを演奏で再現するのです。

最初は助走のようにゆっくりモーションをかけ、勢いとスピードを増しながら駆け上がり、最高音で一瞬止まるかのポーズを経て、一気に加速度を付けながら駆け降り、最後はゆったりと着地。

上りも下りもおんなじ速さじゃ、加速度も落下もないジェットコースターみたいで、おもしろくもなんともありません。

上り坂&下り坂、ジェットコースターののぼりと落下、などをイメージしながら、スリルあふれる演奏を研究してください。

「花の歌」2つ目のカデンツァは、1つ目のアルペジオよりもう少しメロディックなパッセージで、その分指使いもややこしくなっています。

こちらは、ちょっとひねくれた動きでくねくねと上り、てっぺんからまたくねくねと下り、地上に着いたかと思ったらまた一気に上昇、というパターンです。

今度は、山道よりもう少しイメージを膨らませてみましょう。

「花の歌」なので、一面の花びらが空中に舞い上がるイメージでどうでしょう。

木の梢まで舞っていった花びらが、またひらひらと舞い落ちてくる。

静かに地上へ舞い落ちたかと思ったとたん、一陣の風が吹いてきて、花びらたちは一気に巻き上げられ、花吹雪となる。。。

どうですか。ただ技巧を見せるのではなく、色鮮やかなビジュアルを思い浮かべながら弾けば、微妙なテンポの伸び縮みも自然についてくると思います。

「花の歌」はテクニックも易しい小品ですが、演奏者の豊かな表現力によって数倍もゴージャスな曲になるので、みんなもがんばって、想像力・表現力豊かに弾いてみてね。

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Rちゃんの得意なのはヘ音記号

2021年05月07日 | レッスン日記(小中高生)

Rちゃん(小5):

GW明けなので、しばらくぶりのレッスンです。

音符ワークが大好きなRちゃんなので、ピアノを一通りレッスンした後、久しぶりにそれをやってみました。

ランダムに作ってあるワークシートを透明クリアファイルに入れて、水性マーカーで答えを書き込んでいきます。

(この「ワークシートシステム」、ヒバリ先生の考案なんだけど、それをやってたら後から来た高校生のMちゃんが(「いいな、私もやりたい♪」と言ったほどのナイスアイテムなのだ(笑))

ファイルに書いた答えを拭き取って消せば、何度でも繰り返して同じ問題をやることができ、そのたびに精度が上がって行けるのがミソなんですけどね。

「さあ、今日はワークの10番ね。いい?いくよ」と先生がスマホのストップウォッチを構えます。

「まだだよ!最初は練習!」

Rちゃんが慌てて押し止めます。

「あっそ。1回目は練習ね?」

「うん。だから、まだ時間計らないでね?」

こうして、Rちゃんが一生懸命おんぷワークを「練習」。

時には2回、3回と「練習」を繰り返し、やっと本番となってタイムを計る。

すると次は「あとちょっとで10秒切るとこだったね。もう1回やるから計って!」などと、Rちゃん自らつぎつぎと目標タイムのハードルを上げながら「本番」を何度も繰り返します。

「音符の練習しなさい」などと言わなくても、自分で何度も何度も繰り返し練習してくれる「ワークシステム」、われながら大成功!(^^)v ふふふ。

Rちゃんは、なぜかみんなの不得意な「ヘ音記号エリア」が大得意。

問題も「下(ヘ音記号)の問題がいい~ R、上(ト音記号)の音符は苦手なんだもん」

「だって、学校では上の音符つかうでしょ。こっちもよく読めたほうがいいじゃん」

「いいの!下の音符だって使うもん」

ほんとかな~ ま、得意分野があるのはいいことだ。

そのうちト音記号エリアで特訓してやろう・・・と思うヒバリ先生であった。

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