Tさん(大人・男性)
ベートーヴェンのピアノソナタ「悲愴」の第一楽章を練習しています。
ドラマチックで悲壮感あふれる冒頭、それはロマン派好みのTさんにぴったり♪
そこはなんの問題もなく、ヒバリ先生も安心してお任せしていられるのですが、それに続く本篇部分、特に左手のトレモロ連続で苦労しています。
この「悲愴のトレモロ」は、ピアノレッスンでも「苦労するトレモロ」として必ずと言っていいほど例に挙げられる、代表的な「難関トレモロ」なのです。
トレモロの弾き方のコツは
1. 脱力して
2. 回転運動を続ける
これに尽きます。
そのイメージを身近な物に例えると、「電球をキュッキュッと回してソケットにはめ込む」とか、「広口ビンの蓋を高速でねじって閉める(開ける)」の感じです。
それをイメージしながら手首を高速回転させると、それにつれて前腕〜上腕も回転してるのが分かるかと思います。そして、イメージ上の電球やビンのフタサイズをだんだん大きくし、もっと手を広げて鍵盤に置き換えたのが、オクターブのトレモロの感覚に近いかと思います。やってみて。とTさんにお伝えしました。
みなさんも試してみてね。
あと、Tさんにもう一つ言いたいことは、
「あまりいっぱい練習しないでね」ということ!
ヒバリ先生が生徒だった頃には、間違っても言われたことのない言葉ですが、Tさんは怠け者のヒバリとは違って、とっても真面目な優等生の生徒なのです。
放っておくと何時間でもトレモロを練習してしまって、かえって手を傷めてしまったり、時間をかけた割には効果が上がらなかったり、の恐れも出てくるのです。
みんなも、根を詰めて同じ動作を繰り返し練習しないこと、そして違和感や痛みを感じた時は一旦休止して、再度フォームや動きを見直すようにしましょう。
その方が効果も上がり、手のためにも安心だから。