Sちゃん(高2):
「ラプソディ・イン・ブルー」だいぶ進んできた感じです。
「まだ最後の方は出来てないんですが…」と自信なさげなので
「じゃ、終わりの方の新しいページの所を先にやる?」と聞いたのですが、一応最初からやってみます、とのことなので、まずは最初から聞かせてもらうことにしました。
「ラプソディ・イン・ブルー」は、20世紀にアメリカの作曲家ガーシュウィンが作った曲です。
シンフォニック・ジャズと言われていて、クラシックとジャズの要素が両方入り混じってるため、転調、転リズム、臨時記号満載の、めちゃくちゃややこしい楽譜。
Sちゃんは譜面台に楽譜を広げていますが、冒頭から全然楽譜を見ずに弾いていきます。
1ページ、2ページ、3ページ、4ページ…
「ここまでです」
なーんだー、ほとんど最後まで出来てるじゃない。
驚くのは、これだけの複雑な楽譜なのに、一度も顔を上げることなくヒタと目を手元に落としたまま弾いてるということ。
こんなに暗譜で弾けるなんて、ずいぶんたくさん練習したんだね。感心感心。
でも、Sちゃんの暗譜力の理由は、それだけではないとヒバリ先生はにらんでいます。
曲を覚えるというのは、ただただ手が慣れるまで繰り返す、というのではありません。その曲の構成やコードの流れなどを素早くキャッチし、次はどうつながるか、ということを予想して、先へ先へと機転をきかす、ということも、早く曲の内容をつかむコツです。
Sちゃんは、長くピアノをやってる間に、無意識のうちにそういう「機転」を働かすことも出来るようになってきてると思います。
それが証拠に、「ここまで出来てるんだから、最後まで弾いてごらんよ。一番最後のジャン!ジャン!ジャン!の所なんか、すぐできそうだよ。」と先生から言われ、楽譜を見て最後の4連続和音を弾いてみたSちゃん、
「ヤマカンで弾いたね?!Gコードの連続だからって、全部同じ和音とは限らないよ!」と たちまち見破られてしまったのでした。(笑)
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