自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ヒマワリの花紙!

2015-09-02 | 野草紙

ヒマワリやマリーゴールドは花壇の植物です。サルビアやカンナもそう。ミニトマトやカボチャやスイカは畑の野菜。それらは野草ではありません。

なのに,それらを野草の範疇で扱い,それらからつくる紙も,わたしは『野草紙』とくくって呼んでいます。理由は簡単です。植物一般をまず野草の視点でとらえる習慣がわたしの身に付いているからにすぎません。さらに,人類が,もともと野草であった植物を花壇や畑の栽培植物に仕立てていった歴史を考えると,それらだってとくべつな『野草』として扱ってもまったく不正解とも思えません。

野生のゾウが排泄する糞からつくる紙は明らかに野草紙です。動物園で飼育員から餌を与えられ,それを食べるゾウが排泄する糞からつくる紙は,明らかに純粋な野草紙ではありません。でも,そうした区分にこだわることはほとんど意味がないように,わたしには思われます。カボチャを数個食べていれば,糞からつくる紙はもう野草紙ではない,なんて話になったりしてはおもしろくもありません。

窮屈に考えることなく,ざあーっと『野草紙』という枠組みでとらえたいと思うのです。

さて,花壇に咲くヒマワリの花弁を材料に紙を漉きました。黄色の紙ができるでしょうか。

 


煮ると,かなりの紙料が取り出せました。花弁の名残りが見えます。それが見える程度で煮終わったといった方が合っています。色は黄色です。 


それを漉きました。サイズはA4。 


盆を過ぎると,乾きが途端に悪くなります。そのため天気のよい日を選んで漉き,できるだけ早く乾燥させるのがコツです。色はかなり変わっていますが,もとの黄色が連想できます。

 


今回,注意を払って乾かしたのですが,最終段階で枠から紙が剥がれかけました。たぶん,厚手の紙にしようとして多めに紙料を入れたためか,あるいはサイズが大き過ぎたためかと思われます。それによって,繊維の収縮力が,繊維と木枠との密着力に打ちかったのでしょう。対策として小さなサイズを漉くとか,もう少し薄く漉いていたらどうだったでしょうか。チャンスをみて,再びつくってみようと思います。