今季一回目のサルビア花紙はしおりの大きさで,しかも色がなんだか黒っぽいもので,もうすこしなんとかならないかと思っていました。それで,このほど二回目の試みをしました。
花は,我が家でプランター植えにしているサルビアから採取。花弁だけでなく,花を丸ごと使うことにしました。花はそんなにたくさん咲いているわけではないので,すでに地面に落ちている花も使いました。わずかな量なのですが,貴重な材料でもあります。
以前の話ですが,サルビアの花紙をつくったときはアルカリ剤として粉石けんを使用しました。近頃は粉石けんを使わず,もっぱら重曹を使用しています。その関係かもしれませんが,粉石けん使用時は花弁の赤色が残りました。前回つくった紙は黒に近いものです。アルカリ剤の成分の違い(粉石けんには数種の成分が含まれています),あるいは煮る時間の関係から,色の差が表れたのかもしれません。
それで,今回は短時間だけ,花弁の色変化を確認しながら煮ることにしました。
沸騰している湯の中に,花を入れ,そこに重曹を加えました。すると,色がどんどん変化し始めました。赤色だった花弁が見る見るうちに,紫色になりました。かすかに赤の名残りがあるかなあといった感じです。1分ほど煮て,煮熟を終了。
すぐに水で揉み洗いをしました。色は紫のままです。
これを紙料として漉き枠に流し込み,漉き上げました。薄い紙をつくりたかったので葉書よりいく分大きくしました。種が入っているので,おもしろい手触りになりそうです。
乾くにつれて,紫の色合いが薄くなっていくように思われました。出来上がった紙は,紫といわれるとそんな感じがする,赤いサルビアの花弁から漉いたといわれれば,ちょっとはそんな気がしないでもない,そんな風合いをしています。
サルビアの花は小さいのですが,割合きちんとした繊維があります。訪れる昆虫が脚をおけるだけの強度をつくり,送受粉がより確実に行われるように花のかたちを保つ役割を果たしているのでしょう。
肝心な色なのですが,やはり使ったアルカリ剤との相性としか思われません。まだサルビアは咲き続けていますので,次回,粉石けんで検証したいと思っています。