地中の卵
2015-09-09 | 生物
9月。畑の草引きをしているときの話題を一つ。
ちょっと手を抜いていると,草がどっさり生えてきます。そのままにしていると,2,3日で様子がガラッと変わってしまいます。それで草を丹念に引いていかなくてはと思っているのですが,あれこれすることがあって,手が回らないのが実情です。そんななか,久しぶりに草引きをしたのです。
あるタイミングで草を引き抜いたとき,地中から小さな卵のようなものが出てきました。色は真っ白。それは殻の色です。たくさんありました。これはいったい何だろうかと思い,とりあえずシャーレに入れてさらに観察してみることにしました。たぶん卵にはちがいないのですが,こういう場合は正体を見極めたいというのがわたしの好奇心です。
夜,くわしく観察することにしました。直径は1.5mm。万遍なく見ていくと,殻が割れたものがいくつかありました。その中に,渦巻きの殻を持ったものが見えました。「カタツムリだな」と直感。そう思いながら,調べていくとやっぱり別の卵でもカタツムリらしいものが見当たりました。
かすかにゆっくり動く渦巻き殻もありました。殻は透き通って見えました。目や触角はまったく見えませんが,殻の入り口から軟体が覗いている姿はカタツムリを想起させました。
翌日,どうなっているか確かめると,カタツムリの子どもがはっきり見えました。周りにある卵も殻が割れ,中には渦巻き型の殻が見えていました。
幼いいのちが誕生したのです。カタツムリのいのちが。こころに深く残る観察結果となりました。